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2005/05/27 22:12 更新


アジアで進む携帯とビジネスの融合──Nokia Mobile Application Summit

アジア各地でも携帯とビジネスの融合が進んでいる。香港で開催された「Nokia Mobile Application Summit APAC 2005」では、いくつかの事例が紹介された。

 5月25日から26日にかけて香港で、「Nokia Mobile Application Summit APAC 2005」が開催された。主催はNokiaの開発者サポートプログラムの1つであるForum Nokia Pro。コンテンツプロバイダーと通信オペレーター向けに商談と交流の場を提供するイベントで、世界各国から40のコンテンツプロバイダーと、アジアパシフィック地域(APAC)の通信オペレーターが参加した。

 基調講演にはForum Nokia North Asiaでディレクターを務めるヤリ・スターリネン氏とForum Nokia S.E.A Pacificを率いるへマント・マダン氏が登場し、アジアマーケットの現状と将来の見通しを話した。

 両氏は、今年末には20億人に達するとみられる全世界の携帯電話ユーザーのうち、約半数をAPAC(中国含む)が占めると予測、世界の携帯マーケットを牽引する存在になるという見方を示した。その根拠となるのは、APAC地域ではJava搭載端末の販売割合が世界でも最も多く、ユーザーはゲームや高度なプログラムの利用を好む傾向にあるという点。高性能端末がユーザーに受け入れられており、Nokia Series 60プラットフォームを搭載した端末がユーザーニーズを満たす有効な回答になるという考えだ。

 また本格的な普及期にさしかかった3Gについては「新しい技術や特定のサービスではなく、ユーザーに新たな経験をもたらすもの」として訴求すると説明。技術やイノベーションの優位性ではなく、これまでにない新しいサービスや高速に情報にアクセスできる快適性をアピールすることが3Gサービスの成功につながるという見解を示した。

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 キーノートスピーチを行うヤリ・スターリネン氏へマント・マダン氏


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 2005年末には20億人に達すると予測される世界の携帯電話ユーザーのうち、半数をAPAC地域(中国含む)が占める(左)。3Gは2005年から本格的な普及機に入り、Nokiaのスマートフォンは海外で半数のシェアを誇る

 Macromedia Greater Chinaでゼネラルマネージャーを務めるケネス・ロー氏は、同社とNokiaのパートナーシップやFlash Liteのビジネスモデルを紹介。同社のFlashテクノロジーがSeries 60プラットフォームに組み込まれたことにより、今後は携帯電話上でもFlashを利用したリッチなコンテンツや新たなサービスが提供される機会が訪れることをアピールした。

 Flash Liteは日本国内でもドコモ、au、ボーダフォンが採用しており(2004年7月の記事参照)、インタフェースやコンテンツなどに活用されている。ロー氏は海外でもFlash Liteを有効に利用している通信オペレーターのいくつかを紹介。独T-Mobileが提供する「News Express」は、Series 60とSymbian UIQの両プラットフォームに対応しており、画面上のアイコンから簡単に情報へアクセスできる簡便性が新たなユーザーニーズを掘り起こしたという。

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 NokiaとMacromediaのパートナーシップ(左)。Flash Liteを用いたT-Mobileの「News Express」(右)

キオスク端末との連携や、オンラインオーダーも

 アジア地域では携帯電話の普及に伴い、ビジネス連携の動きも始まっている。イベントではその概要も紹介され、インドネシアにおけるモバイルビジネスの事例が挙げられた。

 マクドナルドIndonesiaのディレクター、バンバン・セチア・ダーマ氏は、インドネシアでは携帯電話が固定電話やインターネット接続PCよりも普及していることを示すデータを提示し、「携帯電話はユーザーに最も身近な情報ツールとなった」と話す。同社はSeries 60端末とオンライン注文アプリケーション「AirMenu」を組み合わせた事例を紹介した。

 アプリケーションは無料で配布され、ユーザーはいつでもどこでもアプリ経由でマクドナルドのハンバーガーやドリンクを注文できる。商品は自宅や職場に配達してもらうことも可能だ。現時点では配送費や商品代金は配達時に現金で支払う仕組みだが、将来はオンライン決済化することで、通信オペレーターにも収益メリットのあるサービスとして展開したいという。

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 インドネシアでは固定電話やインターネット接続PCよりも、携帯電話の普及率が高い(左)。Series 60端末を利用する「AirMenu」のデモ(右)

 Sony BMG Music Entertainment Indonesia & Malaysiaのプレジデント ディレクターを務めるルディ・ラマウィ氏は、Series60上で動くアプリケーション「AirAlbum」と情報キオスク「AirStation」を紹介した。

 AirAlubumは音楽やゲームのデモが詰まった「携帯電話にインストールされるコンテンツカタログ」。ユーザーは音楽のデモを聞いたりゲームのプレビューを見ることができる。気に入ったコンテンツは画面上から直接購入でき、自分の端末に保存可能だ。

 インドネシアでは「Nokia 3230」(2004年11月の記事参照)にAirAlbumをプリセットして出荷しており、今年発売予定の音楽携帯「Nokia N91」(4月28日の記事参照)には2000曲のデモが入ったAirAlbumをプリインストールする予定。カタログが端末内にインストールされていることで、ユーザーは自分の好みのコンテンツをいつでもどこでも探したり購入したりできる。

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 AirStationがプリインストールされたSeries 60端末Nokia 3230(左)。Nokia N91のAirStationには2000曲の音楽デモがプリインストールされる(右)

 街中のファーストフード店やCDショップなどに設置される情報キオスク端末「AirStation」と、携帯電話をリンクさせたビジネスも紹介された。これはタッチパネルの液晶ディスプレイを備えた小型の情報ステーションで、携帯電話向けコンテンツや実商品の広告配信に対応する。

 AirAlbumと同様のインターフェースで音楽やゲームのデモを閲覧できる。AirStation端末で気に入った音楽を購入し、自分の携帯電話にダウンロードすることも可能。AirMacやAirAlbumアプリケーションの配布やアップデートも行える。

 CDショップに携帯電話向けの音楽ダウンロードが可能な情報キオスクを置くことが互いのビジネスに影響しないかが懸念されるが、ラマウィ氏によると「情報キオスクがショップ内の効果的な広告発信端末となり、CDショップに若者が出向くようになることで、直接の集客効果がある」と話す。AirStation内のバーチャルなアイテムと、実在のショップ内のリアルなアイテムをユーザーが比較することにより、相乗効果も生まれると見ている。

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 AirStationはファーストフード店などに設置され、広告および集客効果などによりショップにもメリットがあるという


[山根康宏,ITmedia]

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