誠

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連載
2005/04/04 10:03 更新

神尾寿の時事日想:
音楽ケータイがイヤホン文化の突破口になるか?

KDDIからソニー・エリクソンの音楽ケータイ、W31Sの試作機を借りることができた。W31Sには今後の携帯電話端末を考える上で示唆的な要素が多く見られた。今回はその中から、「イヤホンマイク機能付きリモコン」にフォーカスする。

 W31Sには専用のリモコンユニットが付属する。すでに開発者インタビューでも語られているが、これは機能性だけでなく、デザイン性まで重視されたものだ。

 しかも、このリモコンは音楽ケータイの懸案であった「丸形ステレオミニジャック」に対応。普段はiPodを使っている人も、例の"白いイヤホン"を差し替えるだけで、FMラジオを聴いたり、着うたフルを楽しむことができる。リモコン装着部がスライドカバーになっている点も、使い勝手と耐久性、デザインの点で評価できるだろう。

 このようにW31Sのリモコンは、「ポータブルオーディオのリモコン」として考えても必要十分な内容になっている。しかし、筆者が注目しているのは、イヤホンマイク機能を内包する点だ。W31Sのリモコンには「通話・終話」ボタンがあり、マイクが内蔵されている。これにより音楽を聴いている時は、同時に「イヤホンマイク装着中」になるからだ。

 周知の通り、日本では携帯電話の「イヤホン文化」は育っておらず、それが運転中のイヤホンマイク利用の促進からエンタテイメント分野での音ありコンテンツの発達など、様々な分野のハードルになっている。欧米ではホワイトカラーを中心にイヤホンマイク利用が活発で、それがBluetoothハンズフリーソリューションの下地になったのだが、日本は「イヤホン利用」の段階にすら達していない実情だ。

 しかし、音楽ケータイならば、ポータブルオーディオの延長線上の機能になるため、「イヤホン利用」が前提になる。W31Sのようにポータブルオーディオライクなリモコンがつけばなおさらだ。そこに"イヤホンマイク機能"が内包されることで、欧米とは違う形で、イヤホンマイク利用の動機付けにならないだろうか。

 イヤホン、そしてイヤホンマイクの利用が根付けば、携帯電話の利用スタイルやエンタテイメントコンテンツの今後に好影響を及ぼす。まずはW31Sがどれだけユーザーニーズを掘り起こせるか。その動向に注目だ。

[神尾寿,ITmedia]

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