“ライト”なbモバイル、「bモバイル hours」の魅力は?(2/2 ページ)

» 2005年03月25日 17時52分 公開
[坪山博貴,ITmedia]
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ライトユーザーの場合〜vs.データパックmini、Two Link DATA

 ではもっとライトなインターネット接続に利用するユーザーの場合はどうだろう。月に1時間も使えれば十分というユーザーなら、ウイルコムの「データパックmini」が該当する。2079円/月(年間契約初年度)に1050円分の無料通信料金が含まれており、月間77分間は基本料金だけでインターネット接続が可能だ。

 「データパックmini」の基本料金内でインターネット接続時間が毎月収まるとすると、20カ月の利用料金は4万1580円となる。「bモバイル hours」ならば約20カ月(600日)利用でき、料金は2万9800円。もうこの時点で「bモバイル hours」がお得なことは明白だ。

 もっとライトユーザーとして「Two Link DATA」で月に平均30分インターネット接続を行うとしよう。利用料金は20カ月で2万6040円となり、「b-bモバイル hours」のスターターパックの価格とそう変わらない。さらに「bモバイル hours」なら20カ月使ったとしても、月当たりで7.5時間インターネットが利用できるのだ。

 もちろん比較に用いたウイルコムの各料金プランは、デメリットばかりではない。新規契約であれば1000円以下といった価格で端末購入が可能であり、イニシャルコストは安い。またモバイルインターネット利用を始めてみたが、やっぱり不要だ、といった場合、短期間で解約してしまえばトータルでの出費も小さい。さらにいえばウイルコムであれば音声端末を兼ねて利用できるというメリットもある。

 イニシャルコストという点で「bモバイル hours」のスターターパックの価格は、絶対額として決して安くはない。またまったく使わなくなってもコストの一部が返ってくるわけではない(残った利用時間に応じて、個人的に売り払うことは可能だろうが)。

無線スポットにも自動接続、接続可能時間も把握できる「bAccess hours」が付属

 「bモバイル hours」にはほかの「bモバイル」でもお馴染みのユーティリティソフト「bAccess」が付属する。正確にいえば「bモバイル hours」専用のカスタマイズバージョンの「bAccess hours」だ。

 「bAccess hours」を利用すると、ダイヤルアップ接続設定は一切不要でインターネット接続を行える。接続、切断は1ボタンでOKであり、こまめに接続、切断を繰り返すことも容易で、150時間という最大接続時間を有効に活用できる。Webアクセラレータの設定も可能で、Internet Explorer専用となるがProxyの設定などを行うことなくWebアクセラレータを利用できる。

 無線スポットの利用も同様で、無線アクセスポイントを検出すると利用可能であることが表示され、接続ボタンを押すだけでサービスへの認証処理まで行われる。また特定の無線スポットサービスの利用を無効にしたり、自宅や無料の無線スポット(現在ならYahoo!BB モバイルなど)を登録して利用可能な無線アクセスポイントとして検出させることも可能だ。

「bAccess hours」を起動すると、通信カードの電波状況、無線LANアクセスポイントをチェックし、使用可能であればボタンが薄いグリーンで表示される。PHSのボタンを押せばウイルコムのPHS網を利用したインターネット接続が、無線LANのボタンを押せば無線スポットを利用したインターネット接続が開始され、それぞれ接続中のボタンを押すとインターネット接続が切断される。Webアクセラレータの設定も簡単に行える。「bAccess hours」での設定が有効なのはIEだけだが、利用するアクセラレータの切り換えも簡単だ

 利用時間の管理は「bAccess hours」で行える。接続の度に課金サーバーにアクセスして残った利用時間を表示し、「bAccess hours」にも記録が残る。リアルタイム、というわけにはいかないが、後どのくらい使えるのか、という管理には十分だ。導入はもちろん、運用面でも「bAccess hours」さえインストールしておけば十分なわけだ。

インターネット接続時に、残っている利用可能時間が表示される。また最新の接続時点の利用可能時間は「bAccess hours」でいつでも確認できる

 「bAccess hours」に関して唯一筆者が不満を感じるのは、「b-spot」として登録されている無線スポットのESS-IDを、ユーザー定義で使えない点だ。例えは筆者の場合「hotspot」は月額料金で契約しているので、「hotspot」は「bAccess hours」の等価交換では利用したくない。月額料金のほうが度々利用するなら各段に割安だからだ。

 ところが「bAccess hours」は「Windows Zero Config」を無効にし、無線LANの管理をOSから奪い取ってしまうので、ユーザー定義できないと「bAccess hours」を完了して「Windows Zero Config」をいちいち起動しないと「hotspot」で無線LAN接続ができないのだ。「bAccess hours」は無線スポットの補完として利用するには非常に良いコンセプトなので、是非改良してほしい部分だ。無線LANの管理を一時的にOSに戻す機能があれば十分なはずだ。

絶賛できるコンセプトの「bモバイル hours」

 料金面での比較で分かるように、「bモバイル hours」は最大600日間利用できることで極めてライトなインタネット接続にも対応できるし、月当たりの利用時間の変動が大きいという人にもメリットは大きい。料金比較表を見てもらうと分かるが、実は40時間/月程度までのモバイルインターネット利用ならば、実はA&B割を適用した「つなぎ放題[4x]」(ただし年間契約初年度)よりも割安だったりするのだ。

 また、無線スポット利用が中心だが、場所を問わないインターネット接続手段を確保しておきたいといった、筆者のような人も多いだろう。実はこういう人にも“使った分だけ料金が発生して、かつリーズナブル”な「bモバイル hours」は、実は魅力的なパッケージとなるわけだ。

 これは600日という長い最大有効期間が生んでいるともいえ、かなり絶妙な設定だ。もし最大有効期間が1年であったら、だいぶその魅力も薄れるだろう。少なくともそのコンセプトは絶賛したい。

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