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2005/03/07 20:52 更新

インタビュー:
ノキアの考える「スマートフォン」とは? (1/3)

ボーダフォンの702NK(Nokia 6630)で、本格的に日本へスマートフォンを上陸させたノキア。どのようないきさつでスマートフォンは生まれたか、ワールドワイドな端末メーカーとして感じる、日本と海外の文化の違いなどについて聞いた。

 日本初の本格的スマートフォンとして登場した、Vodafoneの702NK(Nokia 6630)が話題になっている(関連記事その1その2その3参照)。米国や欧州でビジネス用途を中心に人気のスマートフォンが、ようやく日本に上陸し始めたのだ。今回はスマートフォンを全世界的に広めている携帯電話メーカーであるノキア・ジャパンに、同社のスマートフォンに対する思いなどを尋ねた。

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Vodafone 702NK
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ノキア・ジャパン、プロダクトマーケティング部テクノロジー・マーケティングマネージャーの大塚孝之氏

ノキアの考える「スマートフォン」とは?

 ノキア初のスマートフォンは、2002年に発売になったNokia 7650だという。当時、すでに「携帯電話が搭載されたPDA」といえる製品は存在していた。QWERTYフルキーボードを搭載し、主に企業ユーザーに受け入れられていた“Communicator”だ。2Gから3Gへの携帯電話の進化の流れのなかでノキアは、さらに新たな携帯電話のアプリケーションニーズに答えるため、“スマートフォン”という新コンセプトを考え出した。

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ノキア初のスマートフォン、Nokia 7650
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Communicatorの例、Nokia 9500

 2000年時点でのスマートフォンのコンセプトを、大塚氏はこう説明する。「私たちが作りたいと思ったのは、あくまでも携帯“電話”なんです。そしてそれには、マルチメディア機能の搭載、片手で操作できること、新しいアプリケーションにできるだけ対応可能にすること──この3つの条件を満たすべきだと考えていました」

 1つ目の「マルチメディア」とは、カメラの搭載や音楽再生など、今の携帯電話端末ではごく当たり前になっている機能を指す。2つ目の「片手で操作」は、電話機として直感的に分かりやすいUIを提供し、しかもスマートに操作できることだという。特に若者向けには、先輩格のCommunicatorに比較してさらなる機動性をアピールしたかったのだろう。

 当時の大きな悩みを解決するためにとった手段が、3つ目のアプリケーション対応だった。この頃、通話はもちろん、メール、Web閲覧などのニーズはすでにあったが、ノキアはそれ以外の新しいニーズも模索していた。高機能化へ進む携帯電話に対してユーザが望むであろう新しいニーズにできる限り応えるために、ノキアが取り入れた考え方が「アプリケーションプラットフォーム」だ。

 たとえば、702NKにも搭載されている「Series 60」は、スマートフォン向けアプリケーションソフトの共通プラットフォームだ。スマートフォン向けのアプリケーションソフトを、サードパーティが容易に開発、流通できるように、ノキアはSDKやサンプルコードを公開、提供している。また、Series 60のプログラム開発者向けにWebサイトで情報提供したり、トレーニングプログラムを行ったりしている。こうした試みを受け、Series 60対応のアプリケーションソフトは世界中で開発され、販売されており、また現在ノキア以外にも独Siemens、韓Samsung、韓LG、パナソニックモバイルといった携帯電話メーカーがSeries 60に対応した携帯電話の開発や製品化を行っている。

 ソフトを自由に開発、公開できることは、ソフトウェアを販売するメーカーにとっても良い影響を及ぼすという。「Handangoというオンラインショップの調査によると、スマートフォンユーザーは、PDAユーザに比べて一人当たり約1.3倍、アプリケーションソフトを購入しているそうです」(大塚氏)。共通のアプリケーションプラットフォームを提供することにより、端末メーカーだけでなく、ソフトウエアメーカーやコンテンツプロバイダーにもビジネスしやすい環境となっているのだ。

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ノキアの開発者向けWebサイト、“Forum Nokia”のSeries 60向けページ

スマートフォンとPDAの違い

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