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連載
2005/03/03 11:51 更新

神尾寿の時事日想:
フェリカネットワークスに聞く「モバイルFeliCaの2005年」 (1/3)

フェリカネットワークスは、FeliCaチップを携帯電話に搭載して展開する「モバイルFeliCa」サービスを始めるため、ソニーとNTTドコモによって作られた合弁会社だ。今日の「時事日想」は特別編として、フェリカネットワークス社長の河内聡一社長へのインタビューをお送りする。

 既報のとおり3月1日から4日にかけて、東京・有明の国際展示場(東京ビッグサイト)東ホールにて「IC CARD WORLD 2005」が開催されている(3月2日の記事参照)。このイベントにおける目玉の1つが、全ブースの約3分の1を占める「FeliCa World 2005」であり、中でも携帯電話向けの「モバイルFeliCa」関連の展示は注目度が高い。

 モバイルFeliCaは今後、どうなっていくのか。フェリカネットワークスの河内聡一社長に単独インタビューを行った。

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フェリカネットワークスの河内聡一社長

3キャリアがFeliCaに対応した意義

神尾 今回のIC CARD WORLD 2005でも、モバイルFeliCa関連の展示は大変注目を集めています。JR東日本の「モバイルSuica」発表、ボーダフォンのモバイルFeliCa採用の表明で3キャリア対応が決まったことなど、タイミングもよかったですね。

河内 IC CARD WORLD 2005の直前に大きな発表が続いたのは偶然なんですけどね(笑)。ただ、そのおかげもあってか、非常に多くの方にご来場いただけています。

神尾 au、ボーダフォンとモバイルFeliCa採用が決まり、いよいよ3キャリア体制が確定したわけですが、ここに至るまでの経緯をお聞かせください。

河内 フェリカネットワークスは設立当初から「すべてのキャリアに対してオープンである」という立場を表明してきたわけですが、ドコモの資本が入っているわけですから、(KDDI、ボーダフォンには)慎重な意見を持たれる方も当然いらっしゃいました。しかし、最終的には我々の理念にご賛同いただき、モバイルFeliCaを採用していただけました。

神尾 理念とは?

河内 我々の最終目標はモバイルFeliCa機器の普及ではありません。モバイルFeliCaが社会インフラになることで、人々のライフスタイルを変えたい。ただ「普及させたい」というだけの志では、事業というのは継続していきません。この点をご理解いただいたことで、3キャリアすべてに対応していただけました。

神尾 3キャリア対応というのは、目標ではなく、通過点に過ぎない。3キャリア対応が確定したことによるビジネスの変化はありますか。

河内 (3キャリア対応は)社会インフラ化する上での前提条件ですね。重要なのは、モバイルFeliCaをウォークマンやケータイのようにライフスタイルとして根付かせることです。その上で意義深いことですが、3キャリア対応による周囲の変化はそれほど大きくありません。多くの事業者の方が「いつかは3キャリア対応する」とお考えになっていたようです。「けっこう早かったね」と言われたことはありましたけど(笑)

モバイルFeliCaにとっての2005年

神尾 これからの課題はモバイルFeliCaの「広がり」を作ることになりそうですね。

河内 その通りです。2005年度というのは、モバイルFeliCaにとって勝負の年だと考えています。2004年度は基礎固めの時期でした。まずは3キャリア対応を確実なものにすることと、いち早くFeliCaを導入して知名度も高いSuicaがケータイに入るロードマップを発表する。2005年度はこれらを具現化していきます。

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