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特集
2005/02/07 16:34 更新

モバイルセントレックス最新動向インタビュー:
ドコモがPASSAGE DUPLEで目指すもの (1/2)

携帯を内線に利用する「モバイルセントレックス」への取り組みは各社さまざま。「PASSAGE DUPLE」を打ち出すドコモが目指すのは“通話の一歩先”だ。N900iLを核にしてドコモが目指すものは何か?

 携帯電話をオフィスの内線電話に利用しようという試みがモバイルセントレックスだ。NTTドコモの「PASSAGE DUPLE」、KDDIの「OFFICE WISE」(2004年12月18日の記事参照)、ボーダフォンは「Vodafone Mobile Office」(2004年12月18日の記事参照)と、各社がそれぞれの特徴ある商品を提案している。

 PASSAGE DUPLEは、2004年の11月にスタートしたばかりだ。導入には時間がかかることもあり、まだ導入例も少ない。PASSAGE DUPLEとはどのようなシステムか、そして今後どのようなサービスを目指すのか。NTTドコモ法人営業本部の安田準氏に話を聞いた。

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NTTドコモ法人営業本部の安田準氏

利用する機能によって構成は変わる

 PASSAGE DUPLEの核となるのが、端末であるN900iLだ。会社の外ではFOMA端末として、社内では無線LAN(IEEE802.11b)を利用した無線IP電話として内線電話のように利用できる。N900iLの機能は大きく分けて以下の4つだ。

  • 無線のIP電話として音声通話をする
  • 無線LANブラウザを使って、社内イントラネットに接続、社内メールを送受信したり、グループウェアを利用したりする
  • 自分の状態を知らせるプレゼンス機能
  • IM(インスタントメッセージ)機能

 このうち音声通話機能のみを利用する場合、標準的な構成は、SIPサーバ、認証サーバ、ルータ、アクセスポイント、端末(N900iLや固定IP電話など)となる。グループウェアなど社内イントラネットにアクセスする場合は業務アプリケーションサーバを含めた構成にする。プレゼンス機能やIM機能を利用する場合には、プレゼンスサーバを増設する。

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無線LANブラウザを利用する場合の構成例
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IM、プレゼンス機能を利用する場合の構成例

 N900iLのSIPスタックは、標準SIPにドコモ独自手順の定義を加えたもので、ドコモとNECによってまとめられた経緯がある。そのため発表時はNECのIP電話ソリューションである「UNIVERSE(ユニバージュ)」とN900iLの組み合わせたシステムのみだったが、現在では他社製製品との組み合わせも可能になっている。例えば日立コミュニケーションテクノロジーや日立インフォメーションテクノロジーのSIPサーバはN900iLへの正式対応を発表しているし(2月2日の記事参照)、「沖電気や富士通の対応製品も追って登場する予定」と安田氏は話す。

 これらの構成はある程度大規模なオフィスを想定しており、SIPサーバを社内に設置する必要がある。初期導入費用も「端末300台規模で定価5000万円が目安」(安田氏)と高価で、中小企業ではなかなか採用は難しい。

 ドコモではもっと小規模なオフィスへのN900iL導入も進めている。機器メーカーと「ソリューションクリエイティングパートナープログラム(SCP)」契約を結び、N900iL対応製品を共同企画という形で出しているのだ。

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[吉岡綾乃,ITmedia]

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