GEで学んだ「すぐに動け」:外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術(1/3 ページ)
あなたは今の仕事で成長しているという実感があるだろうか? 「現状維持」ではもう生き残れない時代、自身が成長していくために、どんな仕事、会社でも大切な心構えが3つある。今回はその1つを紹介しよう。
集中連載「外資系エリートが実践する「すぐ成長する」仕事術」について
本連載は、川井隆史著、書籍『「外資系エリートが実践する 「すぐ成長する」仕事術』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。
一般的に、外資系企業に勤めるビジネスパーソンは「成長のスピードが速い」と言われます。それは、最短3日で将来の幹部候補生を見分けるというGEのように、社員に対する激しいプレッシャーと期待感があるからです。そのような環境の中、外資系エリートたちはつねに努力をし、日系企業に入社した同期とは比べ物にならないほどの速さで成長するのです。
外資系エリートが実践する仕事術といっても、基本的には誰もがすぐにマネできるものばかりです。中でも、特に大切な3つの心構えがあります。
1. GEで学んだ 「すぐに動け」
2. アーサー・アンダーセンで学んだ 「期限は死んでも守れ」
3. 日本コカ・コーラで学んだ 「言われたことだけやるな」
この3つの心構えを守るだけでも、あなたは「すぐ成長する」人に変われます。
GEで学んだ「すぐに動け」
私がいたGEには、Financial Management Program(FMP)というエリートコースがある。このコースに選ばれた新入社員たちは、最短10年程度、年齢にして30代前半でGE内の「ディレクターまたは(シニア)バイスプレジデント」というポジション、つまり大企業GEの直轄グループ企業の部長、執行役員クラスに就けるというエリートだ。各部署のシニアマネジャーは、彼らを育て評価する責任がある。シニアマネジャー自身も、FMP生を育てることで評価されるのだ。
私がいた当時、FMP生は半年ごとの部署異動ローテーションで新たな仕事に割り当てられていた。そのさい、自分で6カ月のプロジェクトを立案して、その実行や検証まで行わせて成果を見るのが慣例だ。
その部署に異動したばかりなのに、すぐに仕事を理解し、改善すべきポイントや新たに必要なことを見つけ、プロジェクトとして成り立たせ、人を巻き込みながら上司と部員が納得する成果を出す。これが並大抵のことではないのは、社会に出て働いた経験のある人なら分かるはずだ。
FMP生に代表されるような高い潜在能力を持つ人間を、GEでは「ハイポット(ハイポテンシャルの略)」と呼ぶ。上司たちは新米社員がハイポットたる人物かどうか判断するのに半年も待たない。長くて3週間、短くて3日で判断する。
では、どんな人間がハイポットなのか? それはとにかく「すぐ動く」人だ。具体的には次の4ステップを高速で回しているイメージだ。
- ステップ1:全体的な流れを俯瞰(ふかん)しながら、ひと回りさせる
- ステップ2:頭を使いながらも、とにかく自分から手をつける
- ステップ3:上司からフィードバックをもらい、途中で「よい質問」をする
- ステップ4:ダメ出しされてもめげずに、完成度を上げていく
以上のステップをきちんと回せていれば、仮に学歴がそこまで高くない人でもハイポットだと判断されるのだ。
それでは各ステップをさらに詳しく見てみよう。
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