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長文入力には欠かせない!――Bluetoothキーボードはこう選べ iOS編ビジネスタブレットのお供に(3/3 ページ)

プレゼン文書の草稿、メールの返信などの長文をタブレットで書きたい───。そんなとき、ほぼ唯一無二の選択肢となるのがBluetoothキーボードだ。実際に買うときはどんなポイントに注意すればいいのか? 前編ではiOS編をお届けしよう。

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エレコム「TK-FBP052シリーズ」

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エレコム「TK-FBP052シリーズ

 非折りたたみ型のキーボード。ここまで紹介してきた3製品とは異なり、キートップの刻印は日本語配列となっている。このため、例えばキートップが「@」のキーを押しても、「[」(大括弧)が入力されてしまう。ただ、commandやoptionキーの刻印は施されている。

 このキーボードは、入力モードの切り替え機能を備えているのが特徴だ。Fn+Tabを押し、「モード2」に切り替えれば、iOSでほぼキートップの刻印通りの入力が行える(LEDの点灯状況でモードの判別が可能)。ここは特筆すべき点だ。

 また、実売2000円前後という価格も魅力だ。折りたたみキーボードが5000円〜8000円という中、その半額以下で購入できる。本体の質感は低いものの単3形電池1本で駆動し、ペアリング上限が4台であるなど、スペック的にはかなり頑張っている。

 キーボードの横幅は237ミリと、リュウドRBK-3200BTiのオープン状態より50ミリ近く短いが、文字入力キーのうち「;」や「:」「]」(大括弧)がなく、カーソルキーの並びもかなり苦しい。ただ、サイズを考えれば、妥当とも思える。

Photo iPad Airとのサイズ比較。今回紹介する中では最も横幅が狭い(画面=左)。単3形電池1本で動作(画面=右)

Photo Fn+Tabキーで入力モードが切り替わる(画面=左)。電源スイッチ。ちなみに、ペアリングはFn+Escキー(画面=右)

どこまでPCなみの文字入力に迫れるか

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iPadの「メモ」アプリでキーボード入力を試してみた

 キーボードはそろい、ペアリングも済んだ。では、実際の日本語入力はどのように行うのだろうか? 今回はiPad AirにiOS 7.0.4をインストールした状態で、「メモ」アプリ上の使用感を試してみた。なお、今後OSのバージョンアップによって、動作の仕様が変更される可能性もある。

 まず英数入力と漢字入力の切り換えは原則としてcommand+スペースキーで行う。専用キーがある場合は、それを使ってもいい。なお、切り替えられない場合はiOS端末の設定画面(一般→キーボード→キーボード)で「日本語(ローマ字)」「英語」の2つがあることを確認しよう。なければ「新しいキーボードを追加…」から、追加すればOKだ。

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ズラッと並ぶBluetoothキーボード一覧(画面=左)。キーボード設定画面で「日本語(ローマ字)」「英語」があることを確認(画面=中)。この画面に「日本語配列」があれば……(画面=右)

 今回紹介した4機種は、すべてキートップの刻印通りの入力を実現しており、目的のキーを叩けばその通りに入力が進んでいくはずだ。変換候補の表示中なら、Shiftとカーソルキーの左右で文節伸縮もできる。文節の確定はreturn(enter)キーを押せばいい。

 ただ、それ以前に、一般的なエディタと同様のカーソル移動が行えること自体がうれしい。左キーを押せばカーソルが左に1文字分戻り、上キーを押せば1行上にカーソルが移動する――という、ただそれだけのことが、iPad単体では難しいのだ。物理キーボードを省いたタッチ操作で先進的な使い勝手を実現したタブレットだが、メリット・デメリットがあることを改めて実感させられる。

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漢字入力を行うにはcommand+スペースなどでモードを変換する(画面=左)。文節単位での変換が可能。文節伸縮はshift+カーソルキーで(画面=中)。長文になるほど、カーソルキー移動のありがたみを実感できるはず(画面=右)

 もちろん、Shiftキーとカーソルキーの組み合わせによる範囲指定も行える。画面上にヘルプは一切出ないが、commandキー(Ctrlではない点に注意)とX/C/Vの同時押しでカット/コピー/ペーストができる。全選択(command+A)、元に戻す(command+Z)、やり直す(command+shift+Z)も動作した。これらが使えれば、長文の“入力”だけでなく、“編集”もかなり効率的になるはずだ。

 今回の記事執筆にあたって、iOS用キーボードショートカットの情報をネット上で探してみたが、公式のものはほとんど見つからなかった。ただ、Mac OS X用のショートカットはかなりの確率で効くようだ。

 このほか、ブラウザ(Safari)上のキーボードの動作も試した。基本的に、スペースキーやPgDnキーを使ったページスクロールはできないようだ。一方、アドレスバー(URL)やフォームへの文字入力、Tabによるフォーム間移動、returnキーの入力によるボタン押下(例えば検索の実行)には対応していた。通販サイトのユーザー登録など、フォーム間を移動しつつ、自分の名前などを入力する場合にキーボードが活躍するだろう。

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こんな長文をタッチ操作で全選択するのは大変だが、キーボードがあればcommand+Aだけで済む(画面=左)。Safariを使用中、Tabでフォーム間移動することも可能。ただし、100%完璧に動作するわけではない(画面=右)

1台買うならどれがいい?

 キーボード選びは本当に難しい。ある人は携帯性、別の人は入力の快適性を求め、さらにそれらがOSの仕様にも影響を受ける。オススメ機種をどれか1つ選ぶというのは至難の業だ。

 それを承知で筆者の結論をいえば、今回の4機種の中でトータルの完成度が最も高いと感じたのはリュウドのRBK-3200BTiだ。折りたたみ構造のコンパクトタイプだが、入力が比較的快適でペアリング台数も上限4台と多く、単4形電池2本で駆動するなど基礎スペックも十分だ。特に、iPhoneとiPadを両方持っている人は重宝するはずで、その際には内蔵スマートフォンスタンドが役立つだろう。

 「1つのBluetoothキーボードをさまざまなOSで使いたい」「とにかく安いものが欲しい」という人にオススメなのは、エレコムのTK-FBP052。折りたたみ型キーボードよりもさらにコンパクトなので、デスクトップPC用キーボードなみの快適な入力はのぞめないものの、英語配列問題を解決しつつ、コストパフォーマンスが高いのは好印象だ。いつもタブレットと一緒に持ち歩くのではなく、机の引き出しにしまっておいて、必要な時に使うといった用途には向いているだろう。

 ありきたりな結論ではあるが、まず1台を懐具合に応じて買い、実際に使う。その上で、気になる機種を比較し、買い直すという道を繰り返さねば、自分にとって理想のキーボードは見つからないのかもしれない。

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