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基本中の基本、年末調整の書き方を理解しよう知らなきゃ損するサラリーマン節税(1/4 ページ)

年末が近づくと、ビジネスパーソンの多くは会社から2枚の申告書の記入を求められる。実は、この年末調整を適切に申告するだけで支払い過ぎた所得税を取り戻せるのだ!

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 多くのビジネスパーソンにとって、会社から年末調整の申告書が配られる時期となった。生命保険に入っている人には保険会社から自宅へ生命保険料控除証明書も届いているだろう。年末が近付くと記入、提出する恒例行事だが、みなさんはその意味を理解しているだろうか。

 筆者は23年ほどサラリーマンをして、その後起業して7年ほど経った。サラリーマン時代の筆者は、年末調整を一体何のために記入しているのか理解不能だった。この申告書を書くと納める税金が減る――そのことを知ったのは、独立して税金のことを多少理解してからだ。

 年末調整はサラリーマンの節税の基本、総理大臣風に言うと節税の一丁目一番地だ。各項目の意味を理解し、漏れがないように記入することで、その年に払い過ぎた税金(所得税)が12月の給料で戻り、翌年から納める住民税も減らせる。年末調整はサラリーマンが税金と接する数少ない機会なので、少しだけ税金と向き合い理解を深めていただきたい。

2枚の申告書を書くだけで所得税と住民税を減らせる

生命保険料控除証明書
生命保険料控除証明書が届いているだろうか?

 税金と聞いて最初に思い浮かぶのは消費税だろうか。2014年4月から消費税率は5%から8%に引き上げられる。ニュースはもちろん、ワイドショーなどでも頻繁に取り上げられるので気にしている人も多いだろう。

 では自分自身が所得税、住民税をどれくらい納めているのか即答できるだろうか。毎月の給与明細には納税額が記載されているが、残業代や手取りなど金額に変化があるところだけ見て、毎月同じような金額が記載されている税金や社会保証費、基本給などは素通りという人もいるだろう。

 まさに筆者がそうだった。増税という言葉には反応するが、実際に自分が納めている税金の金額はもとより、どうやって算出されているのかなど考えたこともなかった。年末調整は毎月天引きされている所得税、住民税を減らすために提出する重要な申告書だ。

 年末調整は12月の給与計算に必要なので、それまでに提出する必要がある。社員数の多い企業は作業量が膨大になるので早めに締め切られることが多い。社員数の少ない企業では12月に入ってから提出ということもある。なので時期的な差はあるが、手元に2枚の紙が配られているだろう。

 1枚は「平成26年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」、もう1枚は「平成25年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」だ。

※会社によっては前年に記入した申告書に変更がないか確認するため、「平成25年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」も配られるケースがあり合計3枚となる。

 「平成26年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」は奥さんや子どもなど、養っている家族を申告するものだ。ザックリ言うと「大学生の子どもが2人もいると生活が大変でしょ。少し税金を減らしましょう」と扶養する家族の状況によって税金を減らすための申告書だ。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
平成26年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書

 「平成25年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書」は生命保険に支払っている金額などを申告するものだ。「多くの国民が生命保険に入ったほうがいいよね。だったら生命保険に払った金額によって少し税金を減らしましょう」といった感じで、保険の種類や支払額に応じて税金を減らすための申告書だ。

給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書
平成25年分 給与所得者の保険料控除申告書 兼 配偶者特別控除申告書

 同期入社で同じ給料をもらっていても、独身貴族と比べれば奥さんや子どもを養っている人は生活費、学費、保険代といった支出が増えるはずだ。それを税金を減らすことで少しだけ補う仕組みとなっている。結婚した、子どもが生まれた、子どもが大学生になった、学資保険に入った……といった個人個人の事情によって、年末に税額を調整するのが年末調整だ。

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