敬語はできるだけ控えめに――自分の言葉で敬意を表現しよう表現のプロが教えるスピーチの兵法(1/2 ページ)

敬語を正しく使うことはビジネスパーソンにとって常識の1つ。しかし、時代とともに敬語に対する考え方が変わることもあり一筋縄ではいきません。今回は、いまの時代にふさわしい敬語の使い方を紹介します。

» 2015年03月20日 06時00分 公開
[企業実務]

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 本記事は企業実務のコンテンツ「表現のプロが教えるスピーチの兵法」から一部抜粋・編集して掲載しています。


 今回は「敬語」について考えます。

 敬語をきちんと話せることは、常識ある社会人であることの証明でもあります。それゆえに、若いビジネスパーソンや自分は話しベタだという自覚がある方からは、「敬語は難しい」という声をよく聞きます。

 確かに、尊敬語、謙譲語(丁重語)、丁寧語、美化語を正確に使い分けるように、と言われると拒否反応も起きますし、「この敬語の使い方で間違っていないかな?」とドキドキしながら言葉を交わすことも多いでしょう。

 しかし、「敬語は自己表現であり、自分の判断で決めていいのだ」と政府が発表していると聞くと少し気が楽になります。平成19年に公表された、文化審議会答申の『敬語の指針』がそれです。この答申では、敬語の役割について、かつて「敬語が人間の上下関係を表わすことと密接に関連している時代」もあったが、現代では「その人を尊重しようという気持ちを表わすこと、その人の立場に配慮すること、その人と親しいか親しくないかといった親しさの程度を示そうとすること」に変化しているとしています。

 そして、敬語を使うか使わないか、どんな場面で使うかはその人の「自己表現」であり、相手との関係やその状況をよく考えたうえで、自らの判断で決めるように勧めているのです。

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