土橋さん 「ゆとり世代はやる気がない」とか、「ゆとり世代には、昔みたいにガツンと言っても響かないんだろうなー」とか。そんなことはよく言われています。
── それ、言われた時ってどんな返答をするんですか?
土橋さん 「はあ、そんなもんですかねー」みたいな(笑)。真面目に「いえいえ、そんなことはないですよ!」って言うと角が立って上司がイラッとするので、穏便に済ませるために受け流しています。
入江さん めっちゃ大人な判断……!(笑)
土橋さん 基本的に、こちらが言ったことをまずは否定したいんですよ、プライドもあるから。「給料上がりませんかね……」とぼやけば「お前そんなに仕事してないだろ」と切り捨て、「こういう仕事がしたいです」と語っても「そんなスケールの小さなことでいいのか」と言ってくる。何を言っても上司をいらつかせるだけなので、こっちから何かを発信しようって気が失せちゃうんです。
島田さん それ、すっごく共感します。「今の仕事はどうだ?」とか「これから何がしたいんだ?」とか聞いておきながら、結局まともに取り合わずにダメダメ言われるのがオチ。「そんなに否定するなら、最初から聞いてくるなよ!」って。彼らの言う“ゆとり世代”っぽい言動を選んで演じてた方が、こっちもストレスが少ないんですよね。
桜井さん 私も「自分から何か発信するのはやめておこう」って気持ち、すごく分かります。土橋さんとはちょっと理由が違うんですけど。
――どんな理由ですか?
桜井さん やっぱり、上の世代の方々との価値観が根本的に違うので……私が意見することで、向こうの抱いている幸せを否定してしまいそうになるから……(笑)。「車買うでしょ? マイホームのために貯金するでしょ? それが若者の幸せでしょ? さあ、幸せ目指して定年までここで働こう!」みたいなノリに、どうしても共有できないんです。
川本さん ヤバい、すっごいわかるその気持ち(笑)
桜井さん 上司の皆さんはそういう幸せを目指す道の途中にいるから、そこで私が「いやいや、先のこと考えると家は賃貸の方が絶対いいですよ」なんて言ったら、彼らのこれまでの人生を否定することになるから……うかつにしゃべれません(笑)
川本さん 壊せないよね、彼らの夢とか幸せとか。余計なこと言ったら、余計な確執を増やすだけだし。「休日は何してるの?」って質問には、「家族とご飯に出かけます」って毎回答えてます。そうすれば、話がそれ以上広がらないから。
入江さん 雑談ひとつでも、なんでこんなに気を遣わなきゃいけないんだろうね。でも、分かり合えないだろうな、その辺りの価値観の違いって。
川本さん 上司に「ゆとり世代ってなんか覇気がないし、コミュニケーションが希薄だよね」って言われたことがありますけど、ごもっともなんですよ。だって、こっちが上の世代に対してうわべで取り繕ってるだけだから。ちゃんとコミュニケーションを図りたいのなら、自分たちの価値観の押し付けをやめていただきたい!
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