ソーシャルメディアの普及で起きているパラダイムシフトCRMの基本

ソーシャルメディアの普及で、情報発信の主導権は「企業」から「消費者」に移行しつつあります。このパラダイムシフトを無視して企業の発展はあり得ません。

» 2015年01月22日 05時00分 公開
[坂本雅志,Business Media 誠]

連載「CRMの基本」について

本連載は、坂本雅志著、書籍『この1冊ですべてわかる CRMの基本』(日本実業出版社刊)から一部抜粋、編集しています。

GoogleやAmazonなどの有名企業が一番重視しているのがCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)です。

CRMは「企業と顧客の長期的かつ良好な関係を構築する手法・戦略」ですが、ここ数年でCRMを取り巻く環境は激変しています。

ポイントカードや会員プログラムだけでなく、Amazonのレコメンド機能やGoogleの行動ターゲティング広告、携帯電話会社の割引施策まで、その範囲は多岐にわたります。

直近の動向・トレンドを踏まえ、CRMの必須知識や導入のポイントを解説した1冊です。


迫られるソーシャルメディアへの対応

 FacebookやTwitter、LINEなどのソーシャルメディアの普及に伴う消費者と企業の力関係のパラダイムシフトが起きています。これからはその変化を捉え、適応することが重要です。

 これまでは、企業から従来型のメディア(新聞、雑誌、テレビ、ラジオのマス4媒体や、インターネットなど)を介して、生活者や消費者に一方的に発信していました。あくまで、情報発信の主体は「企業」であり、生活者、消費者は受信者にほかなりませんでした。ソーシャルメディアがこれだけ普及してきた現代社会においては、情報の伝達方法は様変わりすることになります。

 情報発信の主導権は企業から生活者、消費者に移行し、企業の一方的な情報発信は簡単には受容されないことになります。なぜなら、生活者、消費者間で十分な情報を持つに値する多くのやり取りが行われ、情報が形成、伝達されていくためです。

 こうした時代のムーブメントは「大きなうねり」(グランズウェル)となって、新たな潮流となり、マーケティングのあり方そのものを大きく変えることになっていきます。

 ですから、マス広告での展開という従来の手法を踏まえながらも、これからはソーシャルメディアに対応したCRM施策を展開する必要があります。

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