今年1年をベターに過ごすための日記のススメビジネスチームハック

日記といえば3日も続かないものの代名詞。「毎日、書くことがないから」続かないのであれば、書くべきことを2つに絞ってしまえばいいのです。

» 2015年01月14日 10時00分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 「今年の目標」が流行する1月。いきなり目標を作って、すぐに挫折してしまうのはもったいないですよね。そこで提案したいのが「日記を付けてみること」です。

 自分が置かれている状況をどのように改善したらいいのか? あるいは理想的な状況とはどういうものなのか? こういった事柄を直感的にイメージできる人もいると思います。しかし、筆者は「不満といえば不満もあるが、現状に満足しているかといわれれば満足しているような……」といった曖昧模糊とした性格です。

 つまり、いきなり「理想のイメージを描け」といわれても難しい。そういうときに筆者は日記を読み返します。そこには筆者が抱いている日々の不満や課題がつづられています。これを解消すべく努力してみれば、今年はベターな1年になりそうな気がします。

日記なんて何を書いたらいいものか?

日記

 とはいえ、日記こそ続かないものの代名詞。ランニングとダイエットに比べれば難しくもつらくもないハズですが、日記と三日坊主というのは相性がよすぎるようです。

 なぜ、続かないのか? 日記帳や「ほぼ日手帳」などの手帳を用意してもいいのですが、今日ではスマホアプリを使って簡単に日記が付けられます。Evernoteのようなメモアプリでもかまいません。要するに環境で困ることはないハズ。

 やはり問題は「何を書くか」ということでしょう。特に書くことがないという人は、「今日の成功」と「不平不満とすぐにできる対処法(または反論など)」を書くことをオススメします。テンプレートがあれば、何を書くか悩まずに済みます。

なぜ「成功」と「不満」を記録しておくべきなのか

 「今日の成功」を書くことは簡単でしょう。1日を振り返って、何か成功したことを記録しておく。筆者は、成功体験を忘れてしまうことほどもったいないことはないと思っています。

 「学習性無力感」という言葉をご存じでしょうか。床に不快な電気ショックが流れるようにしてある檻に犬を閉じ込め、ショックから逃れる術を与えないと、逃れられるような環境になっても逃れようとしなくなるという心理実験があります。

 失敗を「学習」してしまうことは危険きわまりないことです。成功を学習することでどうなるかは一概には言えないのですが、常識的には非常によい影響を及ぼしそうです。どんなに小さなことでもいいので、自分の成功体験はいつでもとっさにありありと思い出せるようにしておくべきです。

 では、不平不満を記録しておくのはなぜか? 先に述べたとおり、これが残っていれば不平に対処するだけで状況がベターになります。とっさに思いついた目標を達成するより確実に自分自身への利益につなげられます。もちろん不満に対処することに成功すれば「今日の成功」も充実します。

 そもそも不満を書き出すという行為自体が、精神衛生的にはいいことです。これは「筆記療法」という有名な方法論として心理療法として応用されています。

日記を付けることでストレスが減らせる

 不満というものは「意見への憤り」のようなものが少なくないということが、それを日記につづってきた筆者の経験から分かってきました。そして、それに対処するのではなく反論しておくほうが効果的だとも気付きました。

 誰かの意見に対する反論であれば、Twitterやブログに書けばいい――そういう意見もあると思います。でも、相手の気を悪くしてまで反論したいとは限らないし、自分が間違っているかもしれません。

 それでも、なぜかイライラさせられる話というものはありますから、日記の中で「処理」してしまいたいところ。それをしないで自分の中で溜めておくと、いつまでもモヤモヤしてしまいます。

 実際にやってみると、これは非常にストレス対策として有効でした。とにかく雑誌やネット上で見た何かにイライラさせられたら、その理由と自分なりの反論を短時間でパパッと書き出してしまいます。これで誰かが傷つくこともありませんし、時間もそれほどはかかりませんし、あとで炎上する可能性もありません。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。

著書に『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』『クラウド時代のタスク管理の技術』などがある。

ブログ「ライフハック心理学」主宰。

TwitterID:@nokiba

Facebook:佐々木正悟


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