2015年、人生のPDCAに取り掛かる前にやっておくべきことビジネスチームハック

年が明け、2015年の長期計画を立てようと思う読者もいることでしょう。いきなり計画を立てるよりも、自分自身にまつわるさまざまな情報を収集してから行うほうが継続力に差が出そうです。

» 2015年01月09日 10時00分 公開
[佐々木正悟,Business Media 誠]

 年が明け、2015年の長期計画を立てようと思う読者もいることでしょう。仕事だけではなく、プライベートの計画かもしれません。

 でも、その前に。このタイミングでやっておくべきことがあります。それは自分自身と、目標を取り巻く状況に関する情報を収集することです。

 PDCAという有名な循環があります。プランを立て、実行してみて、その実行をチェックして、分析して次の計画に生かすというものです。改善のための循環ですが、本当はPを始める前にやるべきことがあります。それが「自分に関する情報収集」です。特に個人的にPDCAを回すなら、これが必要です。

PDCAに取り掛かる前に必要な情報収集

ランニング

 例えば、早朝ランニングを始めたいと思ったとして、いきなりプランから始めてしまうと松の内から挫折しかねません。まずは、昨年や一昨年の自分の行動を振り返ってみたり、当時立てた計画を調べてみたりすべき。それが自分に関する情報収集というものです。

 同じようなことを試みていなかったか? それはうまくいったか? 挫折したとしたら、それはいつごろか? なぜ挫折したのか? こういう情報は貴重です。ある意味では、すでにPDCAは一回り以上しているとも考えられますから、すでに「検討期」にあるとも言えるわけです。

 それから、計画の周辺状況に関する情報収集も大事です。ランニングやダイエットなら、それをはばむ、あるいは支援してくれる環境は何なのか? 1月から早朝ランニングを始めるならば防寒具など相応の道具が必要になるでしょう。

 また、この時期の早朝はまだ暗いことも多い。ごそごそ動き回ったり、目覚まし時計を5時に鳴らしたりするなんて、家族にとってはとんでもないことかもしれません。大音量のアラームを鳴らしても起きられそうもない時間帯に、アラームなしでどうやって起床しましょうか?

 こういった事前の情報収集は、どんな計画を立てるにしても必須だと思います。しかし、少なからぬ人がいきなり「プラン」から入ろうとしてしまいます。「やりたいこと=プラン」だと思ってしまうからでしょうか。

情報収集のために試してみるのもあり

 情報収集は、インターネットで探しても本を読んだりしてもいいのですが、実際にやってみるのもオススメです。例えば、実際に走ろうと思っている時間帯に起きてみれば、どのくらい寒いのか、暗いのか、起きられないのかが分かるでしょう。そもそも早起きをしていない人は、この時期の日の出の時間さえ知らないかもしれません。

 また、家族は文句を言うかもしれませんが、代わりに応援してくれる人がいるかもしれません。例えば「Nike+Running」のようなアプリを使えば、走っていることをFacebookでシェアでき、友達が「いいね!」を押すと「応援の歓声」が聞こえてきます。

 子供だましのように思うかもしれませんが、それはいまこの記事を読んでいるときの判断です。実際に走ってみて、「歓声」が聞こえてきたときにはまた違った印象を持つかもしれません。そういうことはやってみないと分かりません。やってみて実際に経験してみることもまた自分に関する情報収集です。

 すでに言い尽くされていることですが、人間は自分のことも自分の周囲のことも、案外と分かっていないものです。だから情報収集は大事なのです。

筆者:佐々木正悟

 心理学ジャーナリスト。専門は認知心理学。1973年北海道生まれ。1997年獨協大学卒業後、ドコモサービスに派遣社員として入社。2001年アヴィラ大学心理学科に留学。同大学卒業後、2004年ネバダ州立大学リノ校・実験心理科博士課程に移籍。2005年に帰国。

著書に『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』『先送りせずにすぐやる人に変わる方法』『クラウド時代のタスク管理の技術』などがある。

ブログ「ライフハック心理学」主宰。

TwitterID:@nokiba

Facebook:佐々木正悟


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