リーダーはメンバーに助けてもらうのが仕事サイボウズ式(1/2 ページ)

自分はリーダーに向いていないとあきらめるなかれ。スティーブ・ジョブズにはなれなくても、目的を達成するために上手にチームを動かすことはできるのだ。そのコツを伝授しよう。

» 2014年11月24日 06時00分 公開
[サイボウズ式]

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本記事は「サイボウズ式」に掲載された「リーダーはメンバーに助けてもらうのが仕事」から一部抜粋・編集して掲載しています。


 あなたは自分がリーダーに向いていると思いますか?

 ここで自信を持って「自分はリーダーに向いている」と答えられる人は、あまりいないのではないでしょうか。世の中には率先して「リーダーになりたい」と手を上げる人もいますが、そういう人は決して多数派ではありません。

 多くの人は、「できればリーダーになんてなりたくない」「頼りがいのある優秀なリーダーの下でストレスなく働きたい」と考えているのではないでしょうか。

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 問題は、自分は「リーダーになりたくない」と思っていても、ならざるを得ないシチュエーションが多々あることです。特に日本の会社では、ある程度プレーヤーとしての経験が蓄積されてくると、本人の適性や意向に関係なくリーダーにされてしまう場合が少なくありません。

 もちろん、「プレーヤーとして優秀な人は、リーダーとしても優秀な人」としてしまう考え方にも問題がありますが、誰の身にも起こり得る以上、「リーダーになったらどうするか」について考えておいたほうがよさそうです。

 そこで、「意図せずリーダーになってしまった場合、どのような姿勢で望めばよいか」について考えてみたいと思います。

誰もがスティーブ・ジョブズになれるわけではない

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 リーダーと聞くと、スティーブ・ジョブズのような「偉大なカリスマ的リーダー」を真っ先に思い浮かべるかもしれません。創造的で魅力的なビジョンを呈示し、圧倒的な求心力でメンバーの心を捉え、パワフルにミッションを遂行する――。

 確かにこれはリーダーシップの1つの完成形ですが、誰もが真似できるものではありません。「生まれ変わりでもしない限り、どう頑張っても彼らのようにはなれっこない」と思う人も少なくないでしょう。

 思うに、「偉大なカリスマ的リーダー」だけが、リーダーの正しいあり方というわけではないはずです。むしろ、世の中に多数存在するリーダーの中でも、彼らのようなリーダーは少数派なのではないでしょうか。

 先頭に立ってぐいぐいメンバーを引っ張って行くのもひとつのリーダーのあり方ですが、それ以外にも優れたリーダーはいるはずです。自分が「偉大なカリスマ的リーダー」になれないからといって、絶望する必要はありません。

リーダーだって誰かの助けを借りてもいい

 突然リーダーを任されて「自分には務まらない」と困ってしまう人は、「リーダーはものすごく能力が高い人でなければ務まらない」と思い込んでいることが多いようです。単純に「リーダー=チームのトップ=チームで一番できる人」と考えてしまうと、このように間違った考えにいきついてしまいます。

 現実には、リーダーが「ものすごく能力が高い人」であるとは限りません。リーダーがチームの代表者であることは確かですが、それは能力の序列によって決まったわけではありません。あくまでリーダーは「役割」でしかないのです。当然、リーダーにもできないことはあります。

 そういう時は、誰かの助けを借りればよいのです。むしろ、他人の助けを借りることこそが、リーダーの仕事だと言ってもいいかもしれません。助けを借りることで問題を解決できるのであれば、その人は立派にリーダーの仕事を果たしているといえるわけです。むしろ、“助けを借りずに一人で問題を抱え込む”ことこそ、リーダーが一番やってはいけないことなのです。

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 プレーヤーとしての能力が高い人ほど、「他人の助けを借りる」という発想ができずに、リーダーとして失敗していることが多いように思います。チームで成果を出すことは、個人で成果を出すこととは違います。「ひとりではできないことを成し遂げたいからチームで仕事をしている」ということを忘れてはいけません。メンバーがリーダーを頼るのと同じぐらい、リーダーもメンバーを頼ってよいのです。

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