これまでマウスやキーコンビネーションをつかってやっていたことを、もっと直感的な操作で――。米Dellが年次イベントDell Worldで、デスクトップの未来の姿を披露した。
技術の革新は、PCのデスクトップを通じたユーザー体験をどう変えていくのか――。米Dellが、11月4日から6日にかけてテキサス州オースティンで開催した「Dell World」で、未来のデスクトップのコンセプトを紹介した。
「smart desk」と呼ばれるこのコンセプトは、机の上のワークスペースと、ディスプレイ画面で構成される。ワークスペースの操作は、ペンや音声、ジェスチャーといった“人にとって自然な”ユーザーインタフェースで操作し、その結果を目の前のディスプレイに反映する格好だ。
操作イメージは、ワークスペース上の本をスワイプするとページがめくれ、キーボードの鍵盤をたたくとDTMの波形データが変化し、3Dモデルのワイヤーフレームを手で引っ張るとレンダリングモデルに反映され、コンパスに見立てた地図上のリング(物理的なリング)をぐるぐる回すと実際の風景の方位が変わる――といった具合。
これまでマウスやキーボードで行っていた操作の中で、“ここをちょっと手でいじれたら”と思うところが、手でつまんだりスライドさせたり、引っ張ったりできるようになるイメージだ。
デモムービーを紹介したDellのバイスチェアマン兼グローバルオペレーション EUCソリューション担当プレジデントのジェフ・クラーク氏は、「現状、PCと人のやりとりは決して自然とは言えない」といい、smart deskはイマーシブな作業環境を実現できると胸を張る。それはあたかも“PC画面に手を突っ込むような”操作感覚ともいえるものだ。
「smart deskは仕事のあり方を大きく変えるだろう。メディアやクリエイティブ系ワーカー、金融アナリストなど、さまざまな職種の人たちがいろいろなデータを即座に見ることができるようになり、アナログ的なワークフローからデジタル的なワークフローへと変わっていく」(クラーク氏)
まだコンセプトの段階とはいえ、smart deskについては今後、さまざまな発表があるとクラーク氏。統合ソリューション企業としての存在感を高めているDellだが、顧客との最初の接点となるクライアント事業も重視している。Dell Worldの期間中にもキーボード付きのWindowsタブレット「Dell Venue 11 Pro 7000シリーズ」を発表するなど新デバイスの投入にも積極的だ。
「やはり仕事をするときにはPCが中心。PCは生産性を高めるための中心的なマシンであり続ける」――さまざまな業務用デバイスが登場する中で、PCをこう位置づけるDell。smart deskには統合ソリューション企業としての強みをどう生かしていくのか――。今後の発表に注目が集まる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.