話す際、自分はどんな人として見られたいと思っていますか? 親しみ深い人でしょうか? それとも活発な人でしょうか? 声の高さと話す速度を見直して変えていけば、人に与える印象を操作できるのです。
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本記事は企業実務のコンテンツ「表現のプロが教えるスピーチの兵法」から一部抜粋・編集して掲載しています。
「何事も100日続けると習慣になる」とよくいいます。連載がスタートしておよそ100日。これまでの記事で取り上げた「無意識に口を開かない」「自分の印象を決めてから話す」といった内容は習慣になってきましたか?
前回は、人が相手に好印象を与える3つの要因、(1)親しみやすさ、(2)活動性、(3)社会的望ましさの中から自分が狙う印象カテゴリーを選択してもらいました。
今回お伝えしたいのは、「身につけたほうが良い話し方のスキルは、どのカテゴリーを選ぶかによって異なる」ということです。
各カテゴリーの違いを意識せず、闇雲に話し方のスキルを磨いても「上手な話し方の人」になるだけです。Aさん、Bさん、Cさんが同じような話し方をしたところで、それぞれの持ち味(Aさんであれば「Aさんらしさ」)が伝わりません。
ビジネスでは「何を言ったか」「どのように言ったか」より、「誰が言ったか」が大事だと私は思います。
その「誰」の部分は、印象に合った話し方で作ります。
一般に上手とされている話し方のテクニックは、万人に必須のものではありません。自分の印象に合っていなければ、大きく通る声、聞き取りやすい発音、論理的な話の構成は必要ありません。目指す印象に合った声、発音、話の構成があるのです。
まずお勧めしたいのは、「声の高さ」と「話す速度」を意識することです。
ある心理学の実験で、相手に印象を与えているものは、「その人の声、顔や服装、体格の順で影響が強い」と報告されています。
つまり、まず声にかかわる部分を変えることが、相手に与える印象を大きく変化させることにつながる、というわけです。
そこでカテゴリー別の声について戦略を立てましょう。「親しみやすさ」を狙う人はやや高めの声でゆっくりと、「活動性」の人はやや高めの声で速めに、「社会的望ましさ」の人は低めの声でゆっくりと話すようにします。
声の高低の基準は「あなたの地声に比べて高いか低いか」です。
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