最初の一区切りまでできたところで、上司に確認してもらう。できる上司ほど、せっかちな人が多い。だから、進捗状況を見せて安心させるのだ。時間に余裕を持つことで、上司から指摘を受けた点を直す時間も生まれるだろう。
そして、上司からすれば、そのさいにあなたがする質問は、もっとも端的にあなたのポテンシャルが分かる箇所だ。
ただ何でも聞けばいいというものではない。「こういうことを調べたいのだが、あの部署に聞いたほうがよいのか」、または「調べた結果このように考えているが、この方向性で合っているのか」などの質問が評価される。
もちろん、その時点では指摘が稚拙でもよい。自分から理解しようと努力して調べたあと、自分の意見を述べることが大事なのだ。最初から「どうしたらいいですか」と聞くことは、プロフェッショナルとして恥ずかしいことである。
ちなみに、「質問をする、意見を言う=反論」と考える人もいるかもしれないが、反論をすすめているわけではない。とくに入社して間もない人間は、上司の指示の方向性をすべて変える必要はない。上司の考えを咀嚼(そしゃく)しながらも、自分なりの考えを述べられるかどうかだ。
過去に「この新人は特によい質問をするな、よい視点を持っているな」という強く記憶に残る部下がいた。彼は現在、他の大きな会社のCFOになっている。よい質問をした人は「前向きだ、いつもチャレンジしている」というイメージとしてまわりの人の記憶に残るため、成長速度も速いのだ。
上司も会社も最初から満点を期待しているわけではない。ときにはまったく方向性が違い、ダメ出しをされることもあるだろう。それでも、めげずに何度でも上司に提出しよう。3割ずつよくすればいい。よい質問をしながらステップの2〜4をくり返し、仕事の完成度を上げていけるのが成長の速い「ハイポット」な人材なのだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.