「朝イチ定例会議」で“やらないこと”も決めようサイボウズ式(1/2 ページ)

やることを決めるばかりが会議ではありません。じつは“やらないこと”を決めるのも、重要なポイントなのです。「朝」「立ったまま」「5分だけ」の会議を開き、やることとやらないことを報告し合うだけで、ぐっとチームの生産性が上がります。

» 2014年10月28日 13時02分 公開
[サイボウズ式]

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本記事は「サイボウズ式」に掲載された「「朝イチ定例」で「今日やらないこと」を決めよう」から一部抜粋・編集して掲載しています。


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 私たちはつい、気軽に「会議」を設定しがちですが、実は会議にかかる見えないコストは膨大です。

 「会議のやり方を見ればチームのレベルが分かる」とはよく言ったもので、ダメなチームは意味なく定例化した会議で時間やコストをムダにしています。会議を設定する際には、そこに集まる人的コストを算出し、“そのコストを支払ってまで話し合うべきことか”を常に意識する必要があります。

 しかし一方で、顔を合わせる機会が減ると、「聞いてみようと思っていたささいなこと」がコミュニケーションからぬけ落ちてしまいがちになります。致命的な影響があるわけではないけれど、「こういうこと、できたりしないかな?」「あれってどういう狙いなの?」といった「小さいけれど共有しておくことで後々の業務にじわじわ響いてくるような細かい情報」は、意外と多かったりしませんか。

 そうはいっても「定期的に顔を合わせて状況を共有をしましょう」と、いつもどおりの定例会議を設定したのでは改善につながりません。そこで、個人的にお勧めしたい定例会議のスタイルを今回ご紹介したいと思います。

「朝」「立ったまま」「5分だけ」がコツ

 以前、関わっていた中規模プロジェクトはメンバーの数が多く、エンジニア、ディレクター、セールスと役割もバラバラだったため、会議の時間を取るのが難しくなり、「定例会議はなくそう! ぜんぶオンラインでやろう!」という試みをしたことがありました。

 確かに、事前に作った資料を持ち寄って、そこに書いてある数字――売上進捗であったり、開発進捗であったり――を読み上げるだけの会議は不要だったのですが、顔を合わせなくなってしまうことで、今度は「今、誰が、どんなことをやっていて、どんな状態なのか」が見えにくくなりました。その上、全員がそれなりのタスクを抱えているため、メンバーそれぞれが互いに遠慮して「なんとなく他の人に話しかけにくい」状態に陥ってしまったのです。

 そこで、緊急対処として実施したのが、「朝イチ定例会議」でした。

 朝、始業時間になったら、全員が規定の場所に集まり(会議室などは取らず、「Aさんの席のあたり」というレベル)輪を作るように立った状態で、「昨日までで終わったこと」「今日やること」「メンバーと共有しておきたいこと」の3つを全員が言う、というスタイルで、もちろん資料もなし。この3つだけをパッと報告し、問題がなければすぐ解散し、業務に入ります。

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 このスタイルのメリットは、全員が「今、自分は何をしているのか」「今、何をやるべきなのか」を明確にでき、それを周囲とリアルタイムで共有できることでした。また、マネジメント側としては、毎朝同じ時間にメンバーの顔と声に接するので、「今日はちょっと元気がないな」「このところ疲れてるな」などというのが察知しやすくなるメリットもありました。

 もちろん特例はあって、前日にトラブル対応で深夜残業をした人などに参加を強要したりはせず、一緒に担当しているメンバーが代わりに発表するようにしていました。このルールも、同じ業務を担当しているメンバー同士が「あの人は今これをやってる」という状況を把握できるようになるという、副産物を産んでくれました。

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