「知ったかぶり」って思われない? 恐れずに知識をシェアすることの利点3分LifeHacking

「こんなこと、きっともうみんな知っているよね」「知ったかぶりって思われるのが怖い」――そう考えて、新しく知ったことを伝えたがらない人がいます。実は伝えることによるメリットには過小評価できないものがあります。見方を変えて「教える」人になってみるのはどうでしょうか。

» 2014年10月24日 08時00分 公開
[Belle Beth Cooper(原文/訳:的野裕子),ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 2人の開発者がいました。どちらも同じような専門で、持っている知識と造詣は同程度。スキルが上達するにつれ、1人は自分が知っているすべてのことをブログに書くように。そのブログはすぐに人気が出て、大勢のファンを獲得し、Kickstarterのキャンペーンで数千ドルを獲得するまでになりました。

 もう1人の開発者は、自分の学んだことを何1つシェアしないどころか、ほとんど誰にも話しませんでした。

 この話で興味深いのは、自分の知識をシェアしなかった開発者は、もう1人の開発者のブログを軽視していたということです。彼にとってそのブログは、自分の知らないことを教えてくれるものではなかったため、「役に立たない」と判断していたのです。

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 多くの人が自分の知っていることを知らず、学びたいと思っていることに気付かなかったのが彼の敗因でした。自分ほどの知識のない人がたくさんいるという事実に気づいたか気づかなかったかで差がついてしまったのです。

 この話から、何が分かるでしょうか。それは「知っていることがあれば今すぐ人に教えた方が良い」ということです。そうした方が良い、3つの理由をこれからお話しします。

専門家である必要はない

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 これまで、自分の知っていることを誰かに教えようと思っても、「自分はそこまで詳しくないから」という理由でためらったことはありますか? 人に教えたことも、そんな資格も能力もないと思っていませんか?

 その思考上の障害を克服し、今すぐ教え始めるのに役立つことが2つあります。

 最初のものは、数々のコミュニティを作り上げてきた、Lettering Artist & Type DesignerのSean McCabeさんの教訓です。

生徒なんて要らないし、専門家である必要もない。教えることで、生徒ができて、専門家らしくなっていくのだ。

 前述の知識を共有した開発者も、ブログを書き始めることで教え始めたときは専門家だったわけではありません。自分の知っていることをほかの人に教えたこと、その知識を取り入れたいと思っている人がいたことで、その分野の専門家として見られるようになっていったのです。

 人に教えれば教えるほど、専門家として見られるようになるのです。そして、専門家として見られるようになると、教える機会が増えていきます。講演、トーク、本や雑誌への寄稿、ブログ、ポッドキャスト、ラジオ番組でのインタビューなど次々と依頼されるようになります。そしてその機会はあなたのことを専門家だと見る人をさらに増やすものとなります。このような広がりは、フリーランスで働いていて、大きなクライアントとの仕事がしたい人には特に有効です。

 2つ目のものは、人に教えるほど十分な知識がないという感情を払拭(ふっしょく)するために、考え方を変えることです。

 私は「教える」というより「シェアする」と考えるようにしています。自分の知識や経験をシェアすると考えれば、教えると考えるよりもプレッシャーに感じません。

 質問にすべて答えられなくても、間違えても大丈夫。「自分の知っていることをシェアする」と考えることで、失敗したり気が変わったりしても、そこまで落ち込んだりしなくて済みます。それに、「シェアする」のは自分の経験から得た知識です。生徒にとってはあまり価値のないものだとしても、教え始めるのが楽になる考え方です。

人に教えることでより深く学ぶ

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 人に教えることのメリットはほかにもあります。それは自分の学びになります。人に何かを説明すると、より深くそのことについて理解するようになるというのは、研究でも証明されています。人に教える過程で、自分の理解の足りないところを認識したり、頭の中で情報をより整理したりすることができるのです。

 また、誰かに教えることを前提に学ぶと、最初からより情報を吸収しやすくなります。これは、ある意味新しい勉強法ともいえるでしょう。後で誰かに教えると思えば、最初から重要なポイントを意識し、頭の中で整理しなければならないと分かっているからです。

 これを裏付けるものとして、第一子は弟や妹よりも知能テストで良い結果を出すということがあります。それは弟や妹に知識や経験を教えて(共有して)あげようとするからだと考えられます。

 ですから、たとえ購読者が1人もいないとしても、ブログを始めるなり、ポッドキャストやビデオを撮るなりして、自分の知識を共有しましょう。少なくとも、学習の過程で自分の身になるのです。

教えることで成長し世に出ることができる

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 「卵が先か、鶏が先か」ではないですが、対象者がいようといまいと、教え始めてみましょう。そうすると生徒も増えてくるのです。

 実際、米ブログ「Crew」の創業者のMikael Choさんは、新しい顧客を獲得する話の中で、以前このことについて書いています。

実用的に役に立つコンテンツを作り出すと、別のタイプのコンテンツを作るよりも読者が増えます。

 つまり、Mikaelさんが言いたいのは、実用的な内容を提供してくれるコンテンツの方が、読者は共有したくなり、結果として読者が増えるということです。

 自分たちの知っていることを教えた結果、成長したブランドもあります。ブロガーのJames Clearさんも、「成功している人たちは準備ができたと思う前から始めている」と言っています。教えることも例外ではありません。

 「自分は専門家としては未熟」「自分の知っていることを聞きたい人なんていない」といった心配は無用です。自分の学んできたこと、もしくは今学んでいることに集中し、それをどのように人のためにシェアできるかを考えましょう。それを“学ぶ前の自分に”教えるのを想像してみるのです。

 忘れないでほしいのは、あなたの知っていることを知らない人が必ずいるということです。自分の知っていることを自信を持ってシェアしましょう。

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