もしもネイティブが中学英語を教えたら? 今回は、特定のものを指す定冠詞“the”について勉強します。
本連載は、デイビッド・セイン著、書籍『もしもネイティブが中学英語を教えたら』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。
あなたが学校で習った英語、実は、ネイティブが使っているものとは、ちょっと違うのをご存じですか? 例えば、
・現在進行形は、現在行っていることだけをいう表現ではない。
・“could”は“can”の過去形としてほとんど使われない。
・“may”はほぼ死語。
・ネイティブは関係代名詞をほとんど使わない。
こういうものが、まだまだあるのです。
この本では、英語そのもののニュアンスをネイティブがていねいに説明します。学校では教わらなかった英語の本質を理解できますから、ネイティブにちゃんと伝わる英語が使えるようになりますよ。
私はその青い帽子を買った。
私は(赤とか黒ではなく)青いほうの帽子を買った。
「(ほかのものではなく)そっちの」と限定する“the”
中学英語では「定冠詞の“the”は特定のものを指す」と習ったと思います。そのため“the”を「その」と訳している例をよく目にしますが、ネイティブの感覚はちょっと違います。
ネイティブが“the blue cap”と言うとき、「(赤とか黒ではなく)青いほうの帽子」というイメージです。“the”で「(ほかのものではなく)〜のほう」と限定していると考えるといいでしょう。その限定されたイメージこそが、ネイティブにとっての定冠詞“the”です。
“She works at the department store.”
定冠詞“the”を付けると、ほかのいろいろあるデパートではなく、話者同士が共通認識している「ある特定のデパート」を指します。
“Do you have time?”
ナンパにも使われるフレーズ。無冠詞なので、“time”はそのまま「時間」という意味になります。
“Do you have the time?”
定冠詞“the”が付くと「時計(時刻)」を指すので、“Do you have the time?”は「時計を持っていますか?」つまリ「今、何時ですか?」となります。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.