年末、年度末までの資金繰り計画や収支計画の見直しは9月中に――9月の事務ごよみ【経理・税務】事務ごよみ

「期央での収支計画の見直し」「被災時の優遇税制の確認」「年末、年度末までの資金繰り計画」など、経理部門が9月中に処理しておきたいトピックをまとめました。

» 2014年09月04日 14時25分 公開
[企業実務]

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 本記事は企業実務のコンテンツ「事務ごよみ」から一部抜粋・編集して掲載しています。


期央での収支計画の見直し

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 3月決算の会社では、9月までの上期の実績を踏まえて、年度収支計画とその進捗状況を検討します。

 経理部門では、月次決算の実績・関連資料、景気見通しや業界動向などの各種データを揃え、年度計画達成に向けた取組みを強化したいところです。

 また、利益確保のためには、採算分析が欠かせません。製商品・得意先ごとの売上貢献度と利益貢献度を検討しましょう。

 在庫についても適正かどうかを確認し、不要なものは早めに処分を進めたいところです。

 全社的な経費についても、事務機器賃借料、事務用品費、諸会費、慶弔費など1つひとつを点検し、予算対比の増減要因を分析することが大切です。

 もっとも、節減だけでは限界があります。入りを増やすという観点からも、自らの役割を考えていきましょう。

資金繰り計画の策定

 下期の製造・販売計画に基づいて、年末、年度末までの資金繰り計画を策定します。

 特に年末は歳末セールや賞与の支給などもあるため、資金手当てには十分に注意しなければなりません。

 検討の結果、借入が必要になる場合は、金融機関に対し、早めに金額と時期を伝えましょう。資金繰り表、返済計画表、業況説明書類は、借入申込みに際して欠かせない資料です。

 社内的には、収支計画などと対比させながら、どこ(何)に資金を優先的に充当するかをチェックしましょう。

 あわせて取引先の信用管理を徹底し、売掛金の完全回収に努めることも大切です。

レクリエーション費用などの経理処理

 会社が支出した社員のレクリエーション費用は、原則として福利厚生費となります。

 もっとも、金額や支出の内容によっては、税務調査等で問題になる可能性もないとはいえません。費用の使途やスケジュールに関する資料は確実に保存しておきましょう。

 また、夏から秋にかけては、祭や各種イベントが多く催されます。こうした行事等に対して支出した協賛金などの扱いにも注意を要します。

被災時の優遇税制の確認

 9月1日は防災の日です。地震や風水害など、非常時に対する備えは普段から固めておきましょう。

 会社が被災して損害を被ったときには、納税の猶予など、税制上の優遇措置が活用できます。

 なお、個人の住宅や家財などが被災した場合には、その被害額は雑損控除の対象として一定額の所得控除を受けられます。被害額が資産の50%以上のときは災害減免法の対象ともなり、有利なほうを選択適用できることを、社員にアドバイスしておきましょう。

中間決算棚卸の実施

 帳簿に記載された在庫と実際の在庫数量は本来一致していてしかるべきものですが、盗難、紛失、記帳ミスなど様々な理由から差異が生じることがあります。そこで定期的に実地棚卸を行なう必要があります。

 棚卸は決算期末に実施するのが一般的です。3月決算の企業が中間決算に際して棚卸を行なう場合は、9月中に実施することになります。

 作業範囲、数え方、棚卸表への記入方法を担当者に前もって指示し、その理解度を確認しておくなど事前準備を万全にして効率よく進めましょう

税務調査への対応

 秋は新事務年度の方針に基づいて、税務調査が本格化する時期です。

 常日頃から正しい処理をしていれば、過度に恐れることはありません。税務調査の打診があったときは、冷静に対応してください。

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