アイデアは誰にでも出せるが、うまい人と下手な人がいる。その違いは、人より“アイデアが出るコツ”を知っているかどうか。この“コツ”とはいったい、どんなものなのか?
本連載は、長野真一著、書籍『「考える」力をつくる30のルール』(アスコム)から一部抜粋、編集しています。
少子高齢化に年金制度の崩壊、いじめ、災害――。問題が山積みの現在の日本、私たちはこの困難の時代に生き延びなくてはなりません。
各界で活躍する一流の講師たちが、東北の未来を担う若者たちに「生きる力、考えるヒント」を授けるNHKのEテレ番組「東北発☆未来塾」。そのなかで、講師たちが語った珠玉のひと言が「ゴールデンルール」です。
「コンセプトは机の上で考えるな。日常に落ちている」(箭内道彦)
「人の意見をまずは肯定しよう」(山崎亮)
「どこでも使える文言に、人をひきつける力はない」(星野佳路)
これからを生き抜くために、何を考え、何をすべきか。本書では、番組内で紹介した自ら未来を切り拓いてきた人たちの30ゴールデンルールをまとめました。アイデアを育て、人とつながり、困難に打ち勝つ――。そうした力をつけて生きるヒントをつかんでください。
クリエイティブ・ディレクターの箭内道彦さんは「よいアイデアの種は、机に向かってうんうん唸っていてもなかなか出てくるものではない。日常生活の中で、アンテナを張り続けることが重要だ」と語る。テレビや広告の世界でも、観光や接客、あるいは製造や工芸などの業界でも、新しい作品や商品を作り出すには、まずアイデアがなければならない。
アイデアは誰にでも出せるが、うまい人と下手な人がいる。といって、うまい人が天才とは限らない。人より“アイデアが出るコツ”をちょっと知っているだけなのだ。
ではアイデアが出るコツとは?
1つは、基礎取材をすること。自分の興味関心を持てるものや関連しそうな情報をなるべくたくさん集める。そしてそれらを元に、思いつくままにアイデアを出して書きとめる。
これもなるべくたくさん出した方がよい。そしてその中から取捨選択したり、ブラッシュアップしたりして、徐々に1つのアイデアにまとめていく。
もう1つは、直感的にひらめいたアイデアを大切にすること。人は、考えるチカラがあるだけに、考え始めると突き詰めていきがちだ。その結果、他人から見るとかえって分かりづらい話になったり、自分が本当に言いたいところからずれてしまったりする。だからアイデア出しの段階は、考えすぎず直感的なひらめきを大切にした方がよい。
箭内道彦(やない・みちひこ)
1964 年福島県生まれ。クリエイティブディレクター。2003 年に「風とロック」を設立し、数々の広告キャンペーンを手がける。主な仕事に、タワーレコード「NO MUSIC,NO LIFE.」、サントリー「ほろよい」など。未来塾では、母校・福島県立安積高校の生徒たちと一緒に、コンセプトを作る段階から福島を広告する50秒CMを作成する。そこで伝えたかったことは、どうすれば自分の思いを人に伝えることができるのか。
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