スキャナーの第3勢力「オーバーヘッド型」3機種を徹底比較――画質比較編Biz.Hacks(5/5 ページ)

» 2014年08月04日 14時30分 公開
[山口真弘,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3|4|5       

まとめ

 以上、ざっとテストしてみたが、いくらユーティリティなどの使い勝手がよくても、最終的な画質が一定の基準を下回っていては、大事な書類を保存するには不向きだ。

 そうした点で、細かい文字の読み取りに不向きな「デスクショット」は、用途が思いつきにくい製品だ。かろうじて使い道があるとすれば、大きな文字を中心に構成されたパワポ資料やイメージデータの取り込みだが、これにしてもスマホがあれば補正処理も含めて代替できてしまう。画質を向上させた後継モデルが登場することがあれば、また評価も変わってくるだろう。

 伏兵と言えるのが「SnapLite」で、本体が影になりやすいオーバーヘッド型スキャナの欠点を内蔵のライトでカバーしている。また角度と焦点距離を固定することで手持ちでの撮影で発生しがちな手ブレやピンボケを防止しているほか、A3合成も可能であるなど、iPhoneを手持ちで撮影するのとは一線を画した使い勝手を実現している。

 とくに写真のディテールの再現性は秀逸で、原稿の種類によっては専用機を上回るクオリティでの読み取りが行えるのは評価できる。個人的にはユーティリティ側にコントラストの補正機能がほしいと感じるが、前述のようにカメラロール側での補正で対応できるので、現状のままでもじゅうぶんに実用的だ。

 「ScanSnap SV600」は、他の2機種に比べると高価だが、画質はドキュメントスキャナに肉薄するレベルで、価格なりの価値は十分にある製品だ。特にユーティリティは、多くのオーバーヘッド型が四隅を指定しての形状補正しか行えない中、見開きの本の輪郭を認識して補正するモードを備えており、機能で選んでいくと厳密な競合が存在しない。唯一、写真のディテールの再現性が低い点については、今後のバージョンアップに期待したい。

関連キーワード

スキャナ | 比較 | ScanSnap | Biz.Hacks


前のページへ 1|2|3|4|5       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ