判断力を“じわじわ”奪う――洗脳系上司からの脱出法サイボウズ式(1/2 ページ)

部下の正常な判断力を奪ってしまう“上司のダブルスタンダード”な振る舞い。「自分で決断出来ないやつはダメだ」と説く一方で、「なぜ勝手に判断するんだ」とどう喝するような“矛盾したことを言う上司”には要注意です。

» 2014年06月27日 17時00分 公開
[サイボウズ式]

「サイボウズ式」とは

「新しい価値を生み出すチーム」のための、コラボレーションとITの情報サイト。本記事は「サイボウズ式」に掲載された「洗脳型上司からサバイバルした方法」から一部抜粋・編集して掲載しています。

今回の、はせおやさいさんのエピソードは、サイボウズとは関係ありません。


 こんにちは、はせおやさいです。今回は、洗脳型上司からサバイバルしたときの話について書いてみたいと思います。

 実体験を自分のブログ「逃げろ、そして生き延びろ」でも書きましたが、仕事をしていくうえで精神的にも肉体的にも拘束され、正常な判断ができなくなるほど追い詰められたことがありました。

 逃げ出した直後は自分を責めたりもしました。確かに自分の未熟さもあったものの、「どう考えてもあれはおかしい!」と次第に思えるようになり、冷静な視点で、なにが良くなかったのかを分析できるようになりました。

 当時を振り返ると、上司もわたしも双方に問題点があり、それをどうクリアするかは正常なチームワークを考える上で重要な経験だったと思います。

矛盾する行動を強いることが正常な判断力を失わせる

 当時、正常な判断力を奪うのに一番強烈だったのは、自分で決断できないように「上司がすべての選択を否定する」ことでした。ここで有効なのがダブルバインド(二重拘束)です。その名の通り、まったく異なる行動を同時に強いて相手を縛ることです。

 「自分で決断出来ないやつはダメだ」と説く一方で、「なぜ勝手に判断するんだ」とどう喝する。わたしは「えっ?! メールをいつ返信するかどうか、この程度のことも相談しなきゃいけないの!」と思うのですが、確かにわたしが勝手な判断をして困るのは上司です。

 では細かくエスカレーションして、ある程度の共通認識が持てるまでは面倒かもしれないけれどもこまめに確認をとろう、と思い都度報告していたら、今度は「この程度のことをいちいち報告するな!」とはねつけられます。

 ここでまた「えっ!」となります。「そうか、相談の粒度がおかしかったのかな」「このくらいなら判断できないといけないのかな」「このくらいならいいのかな」とおそるおそる進めた直後に、今度は「報・連・相もできないのか!」とののしられる。

 最悪だったのは、相手の機嫌によってOKとNGのラインが激しく上下してしまうことでした。目隠しされたまま荒野に放り出されたような状態で怯えているところに不意打ちで怒られ続けるのは、精神的に本当にしんどいものでした。「こういうケースはOKで、これはNG」という指標が相手の機嫌次第で変わってしまうと、何をどうしたらいいか分からなくなってしまい、結局は「相手の言うことを聞いているほうが楽なんだ」と、思考停止に陥ってしまうのです。

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