3人に2人が老後の備えに不安――具体的な設計が立ち向かう鍵に世の中の動きの個人資産への影響を考えてみる(1/2 ページ)

内閣府の調査では、約67%の人が老後の備えに不安を持っているとのことです。不安はそのままにしておいても消えません。漠然とした不安に立ち向かうため、今、何ができるでしょうか。

» 2014年06月10日 11時00分 公開
[川瀬太志,Business Media 誠]
誠ブログ

 老後の備えに不安を持っている人は多いようです。35〜64歳を対象にした内閣府の調査によれば、66.9%の人、つまり3人に2人が老後の備えに不安を持っているそうです。また、65歳を超えても働きたいという人が約半数だったとのことです(2014年5月18日付 日本経済新聞)。

 しかし、「いくら必要だと思うか?」という問いには、2000万円(19.7%)、1000万円(19.5%)、3000万円(19.1%)と、別々の額がほぼ同じ割合で並びました。つまり、「いくらあれば足りるのか、よく分からない」というわけです。

老後にはいくら必要か?

 では、実際にはどれほどの貯蓄が必要なのか、総務省の家計調査年報(平成24年度)に基づき「65歳の夫婦2人暮らしで、85歳までの必要貯蓄額」でざっくり支出と収入の計算をしてみましょう。

 まず「支出」を見てみましょう。

 世帯主が60歳以上夫婦2人無職世帯の平均支出は月23万9878円。約24万円です。すると、必要額は次のような計算になります。

24万円×12カ月=288万円(年間支出額)

×20年=5760万円(85歳までの総支出額)


 次に、「収入」も見てみましょう。家計調査でいうところの「社会保障給付」(主に公的年金)が月20万4976円。約20万円です。

20万円×12カ月=240万円(年間収入額)

×20年=4800万円(85歳までの総収入額)


 これらを考えると次の額の貯蓄が必要だということが分かります。

支出5760万円−収入4800万円=960万円。


 65歳時点で、1000万円程度の準備をしておけば良いということです。では、それにもかかわらず、「2000万円〜3000万円は必要だと思う」と考える人も多いのはなぜでしょうか。

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