会社に依存しない「グローバル×ポータブル」スキルから学び始める一生食える「強み」のつくり方(2/2 ページ)

» 2014年05月28日 11時00分 公開
[堀場英雄,Business Media 誠]
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気の置けない「社外同期」と情報交換しよう

 「WHILL」という会社をご存知でしょうか? 

 ここは次世代の車椅子「パーソナルモビリティ」を開発している会社です。2013年7月には、量産化を目指して伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、500 Startups、サンブリッジグローバルベンチャーなどから100万米ドルの資金調達に成功しました。この資金をもとに量産化モデルの開発、販売を進めており、2014年初旬をめどに初回は直販で50台を米国マーケットに向けて販売する計画とのことです。日産、ソニー、オリンパスといった、日本を代表するメーカー出身の若手技術者たちが新しい世界を創造しようとしています。

(出典:WHILLのWebサイト)

 このWHILLの立ち上げ当初のチームは、デザイナー、メカ設計者、電子系技術者、ソフトウェア技術者、生産技術者など大学の仲間が集まり、東京モーターショーに出展を目指したことが始まりでした。

 会社に一度勤め始めると業務が忙しく、社外に目が向かなくなります。そして会社の中だけでの付き合いでは、どうしても視野が狭くなります。会社や業界の視点があればまだましですが、大企業に勤めていると、場合によっては自部署の都合の範囲にまで視野が狭くなることがあります。これでは会社の歯車の1つとしては都合がよいですが、もしも会社に何かあったときにはまったく使いものにならなくなってしまいます。内にこもらず、異なる価値観を持つ人材と意識的にふれ合うことはとても重要です。

 そこでおすすめしたいのが、例えば大学時代の同期のように、すでに自分が持っているネットワークで今自分がいる場所(会社)とは異なる場所にいる人脈との交流を深めることです。このような人脈を「社外同期」と呼びましょう。大学の同期は、就職すればみんなさまざまな業界や仕事に散らばっていきます。しかし4年間一緒にいたわけですから、それなりの関係ができています。社外人脈をつくる際、自分が日ごろ行かないような勉強会に参加してみることは多くの刺激を得られて大変有益ですが、お金もかかりますし、その分かなりの労力を消耗します。大学の同期であればもう少し気軽な関係のため、より頻繁に情報交換することも可能です。

 WHILLも大学の同期というつながりで集まることで、起業につながったのです。あなたも、大学の同期と定期的に情報交換したり、面白い人たちが集まる場に参加することで、WHILLと同じような大きな挑戦のチャンスを得られるかもしれません。

かけ算をくり返しながら「iCEO」を目指そう

 あなたは「iCEO」という肩書をご存知でしょうか?

 スティーブ・ジョブズ氏が1996年に瀕死の状態のアップルに戻り、以降の肩書がiCEOでした。この「i」は「interim(暫定の)」という意味で、ジョブズ氏は2000年のマックワールドにてこの「i」を落として正式なCEOを名乗ります。ジョブズ氏は瀕死のアップルのCEOと名乗るのが、あまりにも自分の理想の会社と離れすぎていて受け入れられなかったのではないかと、個人的には考えています。

 あなたも今日からCEO、つまり社長と名乗りましょうと言われたら、違和感があるかもしれません。しかし、これからの時代、プチスキルをかけ算し、独立した働き方をする可能性は確実に増えそうです。ならば、プチスキルを習得しつつ、かけ算の試行錯誤をしながら、ある程度の所得になるまでの間、「iCEO(プチCEO)」に就任してみませんか?

 会社員をしながら、小さなビジネスを運営して年間100万円をコンスタントに稼げるようになったとしましょう。年間100万円の追加所得になるわけですが、これは見方によっては、1000万円の資産の利回り10%運用と同等の価値とも言えます。

 自分でビジネスを運営していれば、金銭の収入以外に社外人脈も広がりますし、意思決定力を磨くこともできます。新興国の人材を活用することが可能なビジネスモデルであるならば、会社員の給与の一部で人を雇うことが可能です。

 私自身、バリューイングリッシュの運営を通じて、たとえ小さな学校でも広告費はどうするのかとか、何人先生を雇おうかとか、さまざまな意思決定をしなければいけません。現地のオフィスがあるセブ島や、英語教育に関わる人脈を増やすことができましたし、フィリピンの先生たちとのやりとりを通じ、日々さまざまな学びが得られています。学校運営を通じて、様々なプチスキルを習得し、かけ算の試行錯誤を日々実践しています。

 ところで、小さなビジネスを始めるのにいくら投資が必要でしょうか? 最近ではインターネットビジネスを始めるなら50〜100万円あれば始められます。100万円の投資で年間100万円の収入が入ってくるなら、年間の利回りは100%です。このビジネスを10個つくれれば年収1000万円に到達することも可能です。ハードルは高いですが、iCEOになれば、プチスキルの習得にも、スキルのかけ算の実践にもメリット大なのです。

(終わり)

著者プロフィール:

堀場英雄(ほりば・ひでお)

1978年生まれ。名古屋大学卒業、米国の大学院卒業(原子核工学修士)。

20代はGE、BCGといった一流外資企業でプロとしての成功を一途に目指す。

30代になり大手日系メーカーに勤務しながらも、今まで習得してきた「英語力(米国大学院)×財務スキル(GE)×戦略立案力(BCG)」のかけ算で、オンライン英会話学校バリューイングリッシュを設立。同校の学長を務める。

多忙な留学・社会人生活の中でも、効率的に次々とスキルを習得する力には定評がある。


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