誠 Biz.ID編集部に異動してきたオカダ。名刺や書類のデジタル化は「面倒くさい」と避けてきた。そんな無垢な子羊にゴトウ編集長の魔の手が忍び寄る。
日々の業務がクラウドサービスに置き換えられています。しかし、「なぜをそれを使うのか」「導入すると何が変わるのか」があやふやでは、導入しても「使うのは面倒」となりかねません。
コスト削減、業務効率化の文脈で語られることが多いクラウドサービスですが、本当のゴールは「雑務から解放されることで、本業に専念できること」なのです。
4月某日、誠 Biz.ID編集部に異動してきたオカダは悩んでいた。机の引き出しに無造作に突っ込まれた数百枚の名刺をどうしたものか、と。これまでのコネクションが新しい部署でどう生きるかは分からない。だから捨てるわけにはいかないが、これから新しい名刺も増え、いっそうカオスになっていくだろう。
4月某日、誠 Biz.ID編集長のゴトウはほくそ笑んでいた。新年度に合わせて名刺管理のデジタル化特集を企画していたところに、100%アナログどころか名刺管理もままならない“イケニエ”がやってきた、と。おもむろに受話器を取るとダイヤルを回した。「もしもし、スキャンマン? 明日、スキャンに来てくれるかな」
これは、編集者オカダが書類のデジタル化に目覚めるまでのドキュメンタリーである――。
3月末の編集部異動によって、オカダの机は小ぎれいになった。それまで執筆が終わった後でもうず高く積み上げられていた取材資料をきれいさっぱり処分し、各社からいただいたノベルティや献本書籍はすべて誠 ブロガー向けの勉強会で放出した。
残された課題は名刺である。これまでオカダは受け取った名刺が名刺入れいっぱいに溜まったら、机の一番上の引き出しに放り込むという、ずさんな名刺管理をしてきた。そこには「あいうえお順」だとか、「いただいた順」だとかといった名刺管理のテッパン法則は皆無だった。
ひんぱんに連絡するライターさんや広報さんは、メールを検索すればいい。それでも連絡先が分からない人がいれば、社内の「知っていそうな人」をつかまえれば何とでもなった。頭では「名刺をデジタル化して検索性を高めれば便利」だと分かっていたが、その手間をかけてまでデジタル化するメリットが思い浮かばなかったのだ。
翌日、スキャンマンが編集部にやってきた。そして、机の中に無造作に突っ込まれた名刺の山を見てひとこと。「500枚くらいですね、作業は1時間もかからず終わりますよ。その間、オカダさんは仕事をしていてください」。
そう、彼らは、オフィスを訪問して名刺や書類を次々とデジタル化していくスペシャリストなのだ。スキャンに必要な道具もすべて持参している。仕事道具を見せてもらうと、PFUの「ScanSnap iX500」のほかに、裁断機やホチキス針を外す工具も用意していた。基本的に「紙」であれば、書類だろうが書籍だろうが何でもデジタル化できるという。
スキャンマンの名刺取り込み準備が整ったようだ。「オカダさん、名刺はどのようにデジタル化しましょうか? 単純にPDF化することもできますが、せっかくなのでスマホ連携できるサービスに取り込みましょうか?」
聞けば、アウトプットはユーザーの希望に応じるという。せっかくなので誠 Biz.IDでもたびたび紹介している「Eight」を使ってみたいとお願いした。Eightは、スキャンした名刺画像をサーバに送ると人力でデジタル化する無料サービスだ。デジタル化が終わるまでに少し時間もかかるが、人の目を経てデータ化されるためデータの入力ミスはほとんどない。
会員登録からスマホアプリのダウンロードまで、分からないことはスキャンマンが助けてくれる。そして、彼らの使うEight専用の大量スキャンソフトは作業終了後にPC内に履歴が残らない“特別仕様”なのだという。これなら安心して顧客情報が含まれる名刺を預けられる。
もう1つ付け加えるならば、訪問サービスであれば、データを持ち出しされる心配もない。いや、スキャンマンを疑っているわけではないのだが……。
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