「半沢直樹」に「ルパン三世」――相手に合わせた架空のキャラクターになりきる「話のおもしろい人」の法則

あるときは「半沢直樹」、またあるときは「ルパン三世」……。相手に合わせて架空のキャラクターを演じ分けることで、誰でも自分を「おもしろい人」と印象付けられるのです。

» 2014年04月22日 11時00分 公開
[野呂エイシロウ,Business Media 誠]

集中連載「「話のおもしろい人」の法則」について

本連載は、野呂エイシロウ著、書籍『「話のおもしろい人」の法則』(アスコム刊)から一部抜粋、編集しています。

「話のおもしろい人」は、相手によってカメレオンのように言うことを変え、女性のネイルをチェックし、おみやげにガリガリ君をもっていく。

「話のつまらない人」は、半沢直樹』のように自分を押し通し、女性からのメールをチェックし、おみやげに高級アイスを持っていく。さて、そのワケとは――?

さまざまなヒット商品や人気番組の「かげの仕掛人」が教える、話しベタでも人の心を“ワシづかみ”にできる48の話し方。この法則さえ知れば、

・人に怒られない

・異性にモテる

・仲間に嫌われない

・仕事がうまくいく

で、人生が変わります!


相手に合わせた「架空のキャラクター」になりきる

 話がつまらない人は、あえてポジティブに考えればまじめな人なのだと思います。「自分が理想とする自分」というものをしっかり持っている反面、柔軟性に乏しく、相手が望む人間像にうまく近寄って行くことができないのです。

 どこまで行っても自分は自分。だから変えることはできない。そういう信条の人に「相手の望む通りの人間に変身してください」とすすめてみたところで、なかなか心からは納得してもらえないでしょう。

 ならば考え方を変え、会う人に合わせた「架空の新しいキャラクター」を作ってしまうのはいかがでしょう。

 Aさんが最も喜んでくれるように、Aさん向けにカスタマイズしたキャラクターを「野呂エイシロウA」、Bさん向けは「野呂エイシロウB」、といった具合です。

 そしてメモ帳には、Aさん、Bさんのプロフィールや性格、趣味嗜好のほかに、野呂エイシロウA、野呂エイシロウBのキャラクターや性格、服装など詳細にわたる「仕様書」を書きためておきます。それぞれの人に会う前に読み返してそのキャラクターになりきり、終わったら本当の自分に戻ればいいのです。

なぜ、「半沢直樹」はすぐ「古美門研介」になれるのか

 何もそこまでして……と思う人もいるかもしれませんが、こうした「架空のキャラクター」になりきることを崇高な職業にしている人たちがいます。

 そう、俳優です。

 堺雅人さんはとても魅力的な役者です。ある人にとって彼の魅力は半沢直樹かもしれませんし、ある人にはリーガル・ハイの古美門研介(こみかどけんすけ)かもしれません。でも、どちらも堺雅人さんという役者が演じている役、つまり架空のキャラクターです。

 どちらがより「本当の堺雅人」に近いかは分かりません。でも、半沢直樹も古美門研介も、絶対に本当の堺雅人さんとは違う人間です。しかし堺さんは、半沢直樹が終了したら、すぐ次のクールで古美門研介を演じられるのです。

 野呂エイシロウAも野呂エイシロウBも、まったく同じこと。そういう脚本を与えられたのだから、一生懸命稽古し、演出意図に従って演じればいいだけ。自分の考えとは違うセリフでも、台本通り発声するだけ。なぜなら、それが仕事だから。

 そして、演じること自体が本物の野呂エイシロウを変えることにはなりません。ただ、俳優さんが役を演じてみたことで人生観や考え方が少し変わることもあるように、演じている自分に影響されることもあるかもしれません。

 「俺は半沢直樹のように、一本筋の通った男になる!」などと硬直して考えるほど、周囲はあなたを冷ややかに見ることでしょう。あなたも、あるときは半沢直樹、またあるときは古美門研介、またまたあるときはルパン三世にでもなってみましょう。

 1つだけ「役」になりきるためのヒントを付け加えておきます。野呂エイシロウAになるときにはピンクのネクタイ、Bのときにはこの香水――というように、具体的な「なりきりスイッチ」を決めておくのです。こうすると、意外にすんなりとキャラクターを入れ替えられます。

今回のポイント

あなたには相手に合わせた「配役」がある。それを超マジメに演じてみよう!


 →連載「「話のおもしろい人」の法則」バックナンバーはこちら

著者プロフィール:

野呂エイシロウ(のろ・えいしろう)

1967年愛知県生まれ。愛知工業大学卒。放送作家・戦略的PRコンサルタント。

学生時代に「現役の学生」を武器に、電機メーカー、広告代理店との会議に参加。学生向け家電企画の立案、宣伝、PRに携わる。その後、『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』で放送作家デビュー。『ザ!鉄腕!DASH!!』『奇跡体験!アンビリバボー』『ズームイン!!SUPER』などに携わる。放送作家としての「番組をおもしろくするネタづくりのノウハウ」を生かし、30歳のときから“戦略的PRコンサルタント”としての仕事をスタート。


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