「背中を見て育て」が若者を潰す!? ついやってしまうNG指導7つ(1/2 ページ)

新人研修において「仕事は先輩の背中を見て盗み、育つもの」という、無言の指導は通じません。やるべきことはきちんと言葉で伝え、行動に対してもこまめにフィードバックして、新人の不安を払しょくしてあげることが大事です。

» 2014年04月16日 13時00分 公開
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 ついこの間まで学生だった新卒社員が入社してくる新年度。先輩社員として、フレッシュな彼らの面倒を見てあげる機会もあるだろう。中には新卒社員の教育係に任命された、なんていう人もいるのでは? 知っていることは何でも教えてあげたいけれど、どう接し、どんな伝え方をしてあげたらいいのか不安を抱えている人も多いはず。

最近の新卒社員は不安感が強い? 払拭のカギは密なコミュニケーション

 「希望に満ちた新卒社員というのは、少し前のイメージ。最近の新卒社員は希望よりも不安が大きく、『本当にこの会社でやっていけるだろうか?』という疑問が常に頭の中にある」と、企業における人材育成に詳しいシックス・スターズコンサルティング株式会社の原田由美子さんは話す。

 また、最近では教師と生徒が密にコミュニケーションを取れるような対話型の教育が一般的になっており、新卒社員世代は1対1で丁寧に教えてもらうことに慣れている。

 「だから『先輩の背中を見て仕事術を盗み、育ってほしい』という無言の指導は通じないと考えたほうがいいですね。やるべきことはきちんと言葉で伝え、行動に対してもこまめにフィードバックしてあげましょう。本当に困っていそうなときにしか手を貸さないという方法では、新卒社員の不安感はますます大きくなってしまいます」

 自分が新卒時代に受けた指導が、残念ながらそのまま通じるわけではないようだ。そこで、先輩社員がついやってしまいがちな、新卒社員への誤った指導を教えてもらった。

NG指導その1:「優しい先輩キャラでいこう」→本来の自分とは違う人格を無理して演じる

 キャラクターを作って接しても、ふとしたときに素の自分が出てしまうもの。そのギャップに新卒社員は戸惑ってしまう。そもそも、教育係は厳しくあるべきでも、優しくあるべきでもなく「あくまでも自分の素のキャラで対応することが基本」と原田さん。

 「指導とはこうあるべきなどという『べき論』は考えなくていいんです。厳しくても優しくても構わないので、素の自分の姿のまま接することが大切。もし自分が厳しい人間だという自覚があるのなら、『余裕がないときにはものの言い方がキツくなるかもしれないけれど、あまり気にしないでね』などと、あらかじめ伝えておくといいでしょう」

 また、男性と女性でコミュニケーションの濃淡を変えるなど、人によって接し方を変えるのも避けたい。基本的には、いつ、誰に対しても同じスタンスであることが大切だ。

NG指導その2:「まずはこれをやってくれればいいから」→仕事の全体感を伝えず、やるべき部分だけ教える

 手順だけを伝えて「やってね」では、やる気も出ない。仕事の全体感からブレイクダウンして説明する一手間があるだけで、仕事の意義を理解し、主体的に取り組んでくれるもの。

 「例えば経理の仕事なら『経営者が会社の現状を把握し、意思決定をするために必要な数字を明らかにするのが経理の仕事。だから、お金の動きをタイムリーに把握しなければならない。そのために、まずは伝票を整理し、入出金を明確にすることが基本になる。その基本の部分をお任せしたいから、こういう手順でやってね』といった具合です。仕事全体のどこの部分を任せたいのか、具体的に伝えるようにしましょう」

NG指導その3:「誤字脱字がここにも、あそこにも!」→つい細かいところばかりをチェックしてしまう

 細かい気配りに長けている女性だからこそやってしまいがちなのが、ささいなミスのチェック。

 「あまりにも細かいことばかりをチェックすると、新卒社員は萎縮してしまいます。まずはその仕事の出来や方向性、視点などの全体感を見るように心掛けましょう。その上で『誤字脱字があると会社としての信用を失うこともあるから気を付けて』などと、指摘すると良いですね」

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