仕事が楽しくたっていいじゃんボクの不安が「働く力」に変わるとき・最終回(1/3 ページ)

私たちが仕事をする理由……それは、多くの人が毎日の生活のためだと思います。ただ、そんな中にも小さな楽しさがあり、それを継続するだけで同じ仕事でもがらりと見え方が変わってくるのです。

» 2014年03月19日 11時00分 公開
[竹内義晴(特定非営利活動法人しごとのみらい),Business Media 誠]

竹内義晴(たけうち ・よしはる)

 1971年生まれ。経営者、教師、コンサルタント、コーチ、カウンセラーなど、リーダー層を支えるビジネスコーチ。人材育成コンサルタント。

 自身がプレッシャーの多い職場で精神的に追い込まれる中、リーダーを任される。人や組織を育てるには、マネジメントの手法だけでは太刀打ちできないことを痛感。優れたリーダーたちが使う卓越したコミュニケーションスキルを学び、実践。チームの変革に成功する。実践の経験から、難しいコミュニケーションスキルを誰もが現場ですぐに使えるようにした独自の手法「トライアングルコミュニケーションモデル」を考案。実践的なコミュニケーション方法を伝えるコミュニケーショントレーナー。

 米国NLP協会認定NLPトレーナー、NPO法人しごとのみらい理事長。著書に『「職場がツライ」を変える会話のチカラ』(こう書房)、『イラッとしたときのあたまとこころの整理術―仕事に負けない自分の作り方』(ベストブック)がある。

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 皆さんにとって仕事とは何でしょうか。1日の労働時間を8時間とすると、仕事が占める時間の割合は24時間のうち3分の1、いや、通勤や残業の時間を含めると2分の1が仕事という人もいるでしょう。その他は睡眠や食事の時間だと考えると、「仕事=人生」「人生=仕事」と言ってもいいかもしれません。

 実際、そうではありませんか。人生=仕事。つまり言いかえれば、仕事が楽しければ、毎日が楽しく感じられるでしょう。

 ところで、「仕事の楽しさ」って何なのでしょうか。テレビドラマのイメージでは、おしゃれなオフィスで働いていて、スーツをビシッと着こなしていて、モチベーションが高くて、困難な仕事にも果敢に取り組んでいて、チームワークもよくて「みんなで頑張ろう!」……のようなイメージかもしれません。

 それと比較をすると、実際のオフィスはオシャレじゃないし、モチベーションもそれほど高いわけじゃない。毎日大きな変化があるわけではないし、職場はギスギスしていて人間関係にも気を使っている……テレビドラマのイメージとは随分かけ離れています。

 それに加えて長引く不況、売り上げの低迷、リストラ、経費の削減、メンタル的な課題は社会問題にすらなっています。

 その結果、「仕事=楽しくない、つらい、嫌だ」と思っている人も多いでしょう。

仕事は「楽しい」に変わるのか

 実は……筆者自身も以前は「仕事=楽しくない」と思っていました。しかし、楽しくなかった仕事が楽しいと感じられるようになった経験があります。そして、それが今もずっと続いています。

 筆者は会社員時代、プログラマーの仕事をしていました。仕事自体は好きだったのですが、転職がきっかけで入った職場はコミュニケーションや人間関係が悪く、ストレスフル。胃がキリキリと痛み、ウツウツとした毎日です。どんなに好きな仕事でも、職場環境やストレスによって、仕事って簡単につまらなくなってしまうんですね。

 「もうこんな毎日は嫌だ。仕事を辞めたい。これを機会に独立しようか……」そんなことばかりを考えていました。とはいえ、家族がいます。生活があります。そう簡単に仕事を辞められるはずもありません。

 ある日、管理職を任されました。しかし、ストレスでメンタル的にも落ちていたので自分自身さえうまくコントロールできない状態。他の人の面倒もみるなんて……と思いました。ただ、他に適任者もいなかったので、半ば仕方なく管理職の仕事を引き受けることになりました。

 職場の雰囲気や人間関係がとにかく悪かったので、それを何とかしたいと思っていました。けれども、何をどうしたらいいのか全く分かりません。そこで、コミュニケーションの勉強をすることにしたのです。

 同僚の話を聞いたり、怒るのではなく肯定的に伝えてみたり、習ったことを職場で試しました。コミュニケーションの反応は1人1人違うので難しさも感じましたが、それでも、投資したお金と時間は取り戻したい気持ちと、何より、もうストレスフルな毎日が本当に嫌で、まずは自分自身が楽しく働きたい気持ちがあったので、習ったことを少しずつでもいいからやってみました。

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