フリーランスが入院! そんなとき、どうする!?Re:Work(1/3 ページ)

「健康第一」という言葉があるほど、日々の体調管理は重要です。会社員であればまだしも、代わりのいないフリーランスにとって、急な入院などは致命的。もしも体調を崩してしまっても、仕事への支障を最小限にするため、日々準備しておくとよいこととは?

» 2014年03月11日 11時00分 公開
[三河賢文,Business Media 誠]

連載「Re:Work」とは

 今、働き方を見直す動きが増えています。新しい考え方やサービス、プロダクト。こうしたものを活用して働き方を変える人がいる一方で、現実にはそう簡単にいかず苦悩をガマンしている人も多いはず。「練り直す」「再生する」「再加工する」という意味の「rework」が、この連載の由来です。すべてを変えることは難しいかもしれませんが、まずは少しだけでも「Re:Work」してみませんか?


 多くの人は、「できることなら健康で過ごしたい」と考えていることでしょう。私もそうです。できるだけ偏りのない食生活を心掛け、運動もしています。人の集まる場所から帰ったら、うがいや手洗いは基本。夜更かしはせず、しっかり寝て休むようにしています。

 特にマラソンを始めてからは、体調管理に一層注意するようになりました。せっかく日々トレーニングに努めても、本番で体調を崩してしまっては意味がないからです。そして仕事のうえでも、やはり「健康であること」は非常に大切なのだと感じています。

 しかし残念ながら、健康に100%というものはありません。誰しも病気やケガをする可能性はあり、どれだけ体調管理に努めても避けられないのが現実です。

フリーランスは会社員と違う

 会社員であれば、たとえ自分が休んでも代わりの社員がいる場合が多いでしょう。“誰でもできる仕事”であれば、代理を頼むこともできます。むしろ感染などを考えると、会社側からしたら休んでもらったほうがありがたいこともあるはずです。1人の社員が1〜2日休んだところで、実際にはそこまで大きな影響などありません。

 私も会社員時代、体調が優れないときはまずその日のToDoを確認して、会社に電話をしていました。自分にしか出来ない仕事は、当然ながら避けられません。しかし翌日に回せる仕事や、他の人に頼める仕事であれば、むしろ早期回復を優先して会社を休んでいたわけです。

 しかし、フリーランスの場合には事情が異なります。会社員の感覚のままで過ごしていると、いつか痛い目に遭うかもしれません。簡単に言えば、フリーランスでは代わりに対応してくれる人はおらず、場合によっては仕事のキャンセルにつながることもあります。その分収入は減り、治療費など出費は増えるわけです。

 さらに減るのが収入だけなら良いですが、信頼関係が崩れることもありえます。特に誰かから依頼されて仕事をしているのであれば、『請けた仕事はしっかり完遂させる』ことが何よりのルール。体調は仕方のない問題とはいえ、相手からすれば管理不足に他ならないのです。

 実は昨年、私は突然「虫垂炎」(いわゆる盲腸)で入院することになりました。独立して3年半になりますが、大きな病気は初めてのこと。リスクとして認識はしていましたが、実際に直面するとこれは大変です。

 しかし実際には、仕事に大きな影響はありませんでした。その理由は、もともと私が『どこでも仕事ができる環境』を構築していたからです。その辺りのお話を、実体験を基にして紹介しましょう。

突然の痛みから、即入院

 「盲腸」と聞けば、おそらくほとんどの人が耳にしたことのある病気でしょう。実際、誰でも患う可能性を持っています。

 ある日、いつも通りに食事をして、早めに眠りました。このときは全くの健康体(だと思っていた)で、予兆など一切なかったのです。

 しかし夜中の2時半ごろ、ハッと目が覚めます。冬だというのに大量の汗をかき、腹部になんとも表現しがたい痛み。すぐさまトイレに駆け込みますが、治まる気配すらありません。

 それから朝までは、ひどいものでした。

 何となく痛みが収まった(ような気がした)タイミングでベッドに戻るも、30分ほどすると再び痛みで目が覚めてトイレ。8時ごろまで、ずっとこの繰り返しです。熱も38度ほど出ており、起きるたびに喉が乾いて水を飲んでいました。

 9時になり、すぐさま掛かり付けの病院へ。腹痛だったので、迷わず内科に行きました。

 「胃腸炎か何かだろうか……」

 そう思って診察を受けると、返ってきたのは意外な回答だったのです。

 「恐らく虫垂炎、つまり盲腸だね。ただ盲腸の場合、状態によって手術する必要がある。だから内科では、勝手に判断が出来ないんだよ。信頼できる先生を紹介するから、外科で診察を受けて」

 これには、正直言って冷や汗が出ました。私の中で、盲腸=手術という方程式が確立されていたからです。つまりその時点で入院は確定。仕事もできなくなってしまう……と。

 紹介された外科で診察を受けると、やはり虫垂炎でした。しかし幸いなことに、軽度であれば今は薬で散らすこともできるとのこと。

 「1日点滴で様子を見て、どの程度良くなるかで手術か薬かを判断しましょう。今の状態だと、手術になる可能性は五分五分といったところです」

 取りあえず、重い事態ではないということで安心。ちなみに虫垂炎も、放っておくと命にかかわるそうですのでお気をつけください。

 しかし次の一言で、再び冷や汗をかくことになります。

 「ということで、今日から入院ね。短くても1週間かな」

 なんと、今すぐこの場で入院しろというのです。手元には財布と携帯のみ。腕には、すでに点滴の管がしっかり装着されています。入院というものが初めてだったので、かなり焦りました。

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