「LINE電話」「LINE ビジネスコネクト」ってどんなもの?(2/3 ページ)

» 2014年03月07日 13時55分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]

LINEが企業とユーザーをつなぐチャネルに

 企業向けのサービス「LINE ビジネスコネクト」は、公式アカウントを通じて、各企業がユーザーとより密なコミュニケーションが取れる新機能だ。

 従来の公式アカウントでは、企業から全ユーザーに対して一斉のメッセージやスタンプ送信に加えて、クーポンの配信や、リアルタイムでユーザーの投稿を集める使い方ができた。LINE ビジネスコネクトではさらに、ユーザーの同意を得たうえで企業が持つ顧客情報データベースなどと連携したメッセージ配信などが可能となる。企業は公式アカウントから(これまでは不可能だった)特定ユーザーに最適化したメッセージ配信などが行えるようになる。

「LINE ビジネスコネクト」の概要。自社システムとLINEアカウントを連携させることで、勤怠管理ツールなどとして使えるようになる。LINEはあくまで通知の部分で機能し、LINE側でユーザーデータを抱えることはない

 例えば、使い慣れたLINEを通じて宅配ピザを注文を受け付けたり、レンタルビデオ店の返却期限を通知したり、位置情報と連携したタクシーを手配したりといった使い方が想定されるという。



 さらにビジネスコネクトは、企業内の業務ツールと連携することで、アルバイトのシフト管理や安否確認、Eラーニング分野での活用など、さまざまな使い方が期待できるという。昨今、スマートフォンから使える業務システムが増えているが、LINEを使い慣れたユーザーがいつもと変わらない操作性で業務システムを使えるようになれば、企業側にとっても社員に新たな業務負荷を与えずに済むというメリットになるだろう。



 なお、LINE ビジネスコネクトでは一例として、家電と連携した家庭内での活用法なども紹介している。それがCES 2014でLGエレクトロニクスが発表したHomeChat。LINEのメッセージを利用して自宅の家電を遠隔操作するサービスだ。

 その他、既に実用化が決まっている事例として、民法テレビ各局と提携した番組へのメッセージ送信サービスなども検討している。LINE ビジネスコネクトを通じて放送中に番組アカウントにメッセージを送信したり、スタンプを送るだけで人気投票などに参加できるものだ。

 LINEが公式アカウントのユーザー向けに行った調査によると、公式アカウントからのメッセージは55.8%以上の割合で配信直後に開封されているという。この数値は電子メールや新聞折り込みチラシなどの開封率と比較すると非常に高く、LINEがO2Oツールとして非常に有効に働いている実態の現れだとしていた。

 LINE ビジネスコネクトによって、特定ユーザーに対して個別に最適化したメッセージを送れるようになり、LINEユーザーからすればより自分の行動に沿った情報が企業からプッシュ通知されるようになる(LINEはあくまで接続の部分を担い、LINE側に、ユーザー情報がいくことはない)。

 加えて業務システムとの連携など、これまでのLINEの領域を超えて、LINEがビジネスシーンでも活用される可能性もさらに広がったといえる。LINEでは、まず大手企業などユーザーからも安心感のあるブランドを中心に事例を作っていく方針だ。将来的には、LINE ビジネスコネクトの機能ありきで公式アカウントを開設するような流れも検討しているという。

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