インクジェットでレーザー並みの性能を――エプソン、ビジネス向け8機種

エプソンは、ビジネス向けカラーインクジェットプリンタ/複合機の新製品8機種を発売する。新開発したプリントヘッド技術「PrecisionCore」を搭載したことで、印刷スピードと画質を大幅に向上した。

» 2014年02月27日 18時00分 公開
[上口翔子,Business Media 誠]

 エプソンは2月27日、ビジネス向けインクジェットプリンタ/複合機の新製品8機種を発表した。価格はオープンで、エプソンダイレクトでの実勢価格は1万6980〜5万9980円(税抜き)になる見込み。3月6日から順次発売する。

 ラインアップは、ファックス機能を強化したA4サイズ対応の「PX-M840F」「PX-S840」、A3ノビサイズ対応の「PX-M5041F」「PX-M5040F」「PX-S5040」、A4サイズ対応の「PX-M741F」「PX-M740F」「PX-S740」。新開発したプリントヘッド技術「PrecisionCore」を採用したことで、レーザープリンタ並みの画質と印刷スピードを実現したのが特徴だ。

 普通紙に印刷した場合の解像度は、従来360dpiから600dpiに向上。印刷スピードは、PX-M840、PX-S840の場合でカラー/モノクロともに20枚/分の高速印刷に対応した。


A3ノビカラー複合機「PX-M5041F」(左)、A4カラー複合機「PX-M740F」(右)

新製品8機種の主な仕様
型番 機種カテゴリ 1分当たりの印刷枚数
(カラー/モノクロ)
耐久性(A4印刷時) 価格 発売日
PX-M5041F A3ノビカラー複合機 10/18 8万ページ 5万9980円 3月20日
PX-M5040F A3ノビカラー複合機 10/18 8万ページ 4万9980円 3月20日
PX-S5040 A3ノビカラープリンタ 10/18 8万ページ 3万4980円 3月20日
PX-M840F A4カラー複合機 20/20 15万ページ 4万9980円 3月6日
PX-S840 A4カラープリンタ 20/20 15万ページ 2万9980円 3月6日
PX-M741F A4カラー複合機 10/19 8万ページ 3万9980円 4月10日
PX-M740F A4カラー複合機 10/19 8万ページ 2万9980円 4月10日
PX-S740 A4カラープリンタ 10/19 8万ページ 1万6980円 4月10日

 全機種共通で、操作パネルを一新した。液晶サイズを拡大したほか、パネル配色にユニバーサルデザインを採用し、多くの人が見ただけで簡単に操作できるものとした。

新旧操作パネルの比較
ユニバーサルデザインの採用

 接続環境は、有線/無線LANネットワークへの対応に加え、「Wi-Fi Direct」機能を搭載した。Wi-Fi環境がないオフィスでも、無料アプリ「Epson iPrint」などを通じてスマートフォンやタブレット端末のモバイル回線からプリントが可能となった。

 ファックス機能も大幅に強化。ファックス/電話の自動切り替えや、送受信時のプレビュー機能を搭載した。あらかじめ設定した別のファックスやメールアドレスへ転送できる「ファックス転送」機能により、外出先でもメール経由でファックス内容を確認できるようにした。

 そのほか、設定したパスワードごとに印刷/スキャンなどの制限を設けたり、資料印刷時にパスワードを設けるなど、ビジネスシーンでの利用を想定したセキュリティ機能も追加している。

管理者向けの利用者制限機能

ビジネスインクジェットの市場拡大をけん引

 エプソン販売 取締役 販売推進本部長の中野修義氏は新ラインアップで強化したポイントについて「印刷スピード」「画質」「使い勝手」「耐久性」を挙げた。新プリントヘッド技術「PrecisionCore」によって生産性を大幅に向上したほか、インタフェースの改善、ファックス機能の強化により、さらに多くの印刷要求に応えられる性能モデルになったと紹介した。

 中野氏は国内のビジネスプリンタ市場が2008年度のピーク時に達するまで回復していることを挙げ、インクジェットプリンタは「レーザープリンタと比較してプリントコストが2分の1ながら、ファストプリント速度が早く、多様な用紙に対応、節電性能、スマートデバイス対応などあらゆるメリットがある」とアピール。新ラインアップの販売台数は年間25万台を目標とし、ビジネスインクジェットプリンタでシェア50%、ビジネスA3複合機でシェア65%を目指すとしていた。

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