確実に企業が欲しがるビジネスパーソンになる方法参謀の戦略眼

面接で人を見極めるための時間は、実際のところ3分もあれば済んでしまう。その3分で面接官は見ているポイントとは?

» 2014年02月25日 10時00分 公開
[細島誠彦,Business Media 誠]
誠ブログ

 最近、面接を嫌というほどやっている。これほどやるのは10数年ぶりだ。当社の面接は1時間ほど話をして、合否を決める。つまり不合格の場合は残念ながら、その1時間はお互いにとって無駄なものになってしまう。

 仕方のないこととはいえ、もっと合理的にできないものかと考えてしまう。というのも、面接に1時間も費やさずとも、その人がいいか悪いかは3分もあれば分かってしまうからだ。

企業が欲しがる人

 なぜ3分で分かってしまうかというと、うそのような本当の話だが、きちんとした仕事をしてきた人は目が違う。目が生きている。

 これは、面接を多くこなしている人は納得するところだと思う。面接では自分の経歴を詐称とは言わないまでも、少し膨らませて書いたり、言ったりする人が多い。しかし、そういう人は、やはりうしろめたいところがあるのだろうか? 不審な目をしている。

 それはそうだろう。そういう人は、仕事も誤魔かしてやってきたのだろう。不審な目になるのも致し方ない。

 昔、面接した人にとんでもない人がいた。話をしていると流ちょうに話し、何でもできるような語りぶり。あまりのスムーズさに怪しいなと思い、突っ込んで聞いていたら、やはり経歴詐称だった。その上、実務も突っ込んで聞くと、まるで答えられなくなっていった。観念したのか、途中からその流ちょうさは影をひそめだした。このように、怪しい人はやはり分かってしまう。

 3分で結果が分かってしまうのに、なぜ1時間も面接をするのか? 一応、来てもらっているので、失礼にあたるからだ。しかし1時間も面接をするのは本当に忍耐力がいる作業だ。

流行るトリック

 最近、書店に行くと思のが「人と違うことをやろう」というメッセージの本が多いことだ。

 例えば、スマートフォンが流行るとスマートフォンは見るなと言う。お金が落ちていればお金は拾うなと言う。経営には計画が重要だと言うと、計画なんていらないと言う。営業は受けるのが基本だが、営業は断れと言う。

 なぜ、このような題名や内容の本が多いのか? それは、目立つからだ。読者の心に「何で?」を作り出し、本を手にとってもらため。人の、面白そうだとか、変わったことを求める心が、そうした本を手に取るようになる。だから、出版社もこういう本を作ろうとする。

 しかし、こういう内容は、姑息で小さなことだと思ったほうがいい。小手先の技術を読んで身に付けたとしても、企業はすぐに見破ってしまう。怪しい人間はすぐに怪しい人間に映るのだ。

王道こそが人の目指すべき道

 では、どうすれば企業が欲しがる、イキイキとしたうそのない目を手に入れることができるのか? それは、やはり王道しかない。

 王道とは、

a. 孟子が説いた王の道。「徳によって本当の仁政を行う者」を指し、

「小国であっても人民や他国はその徳を慕って心服するようになる」と説いた。

b. 儒教で理想とした、有徳の君主が仁義に基づいて国を治める政道

c. 対義語に武力を以って国を統治する「覇道」という言葉がある。

d. 転じて、正攻法

 とある。そう“正攻法”しかない!

 では、日常生活における王道とは何か? 「愚直に学び、必死に、試行錯誤を繰り返しながら、仕事をすること」ではないか?

 普通じゃないか! と思う人がほとんどだと思う。では、スマートフォンを見なければ何か変わるのか? 計画を作らなければ、どうなるのか? 考えてみるといい。そんなものは何も生まない。

 当たり前のことかもしれないが、何気にきちんとやっている人は本当にいない。当たり前のことを当たり前にやるということは、何とも難しい。人は、どこかで必ず楽な方向を選ぶからだ。

 秦の商鞅は、王に王道か覇道かを選んでもらった。商鞅は王道をすすめたが、王が選んだのは覇道。王道は時間がかかりすぎるからだ。覇道を選んだ秦は、その後中国統一を果たすが、統一政権の寿命は短かった。それは、覇道を選んだからだ。王道を選べば、1000年王国が実現したかもしれない。

 では、普通の当たり前の、人と同じことをやっていて大丈夫か? 絶対に大丈夫だ。なぜなら、前述したように、当たり前のことを当たり前にやるということは、本当に難しいからだ。王道を選び着実に進むことが、結局は人と違うことをやることになる。

 ただ、スマートフォンを捨てたり、計画を作らないことよりも全く面白みがないだけだ。

 面接で受かる人というのは、着実に仕事をこなしている人だ。「ん?」と面接で少し引っ掛かったのに合格させてしまった人は、入社後に確実に後悔する。ちょっと気になる部分がある人は、やはり誤魔化しがあるのだ。そこにやはり引っかかりがあるのだ。

 真摯に仕事をやってきた人は、誤魔化しがない。誤魔化しがなければ、自分の言葉で質問も返せる。自信がある人は目に活力がある。だから、自信をもって合格を告げられる。

 面白くなくても、王道を進むことが自分を飛躍させる唯一無二の方法だ。決して面白そうなこと、変わったこと、突拍子もないことに飛びつかないことだ。そんなものは時間の無駄でしかない。(細島誠彦)

※この記事は、誠ブログ細島誠彦ブログ【参謀の戦略眼】:確実に企業が欲しがるビジネスパーソンになる方法より転載、編集しています。

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