知らないと損する! 会社員、個人事業主、法人、それぞれの税金ルールの違い

仕事で収入を得た場合、その立場によって税金の種類が変わります。また経営者で法人から給料を払っている場合、所得税のルールも関係してきます。各立場で発生する税金をおさらいしておきましょう。

» 2014年02月12日 15時00分 公開
[井ノ上陽一Business Media 誠]

本記事は、ブログ「EX-IT ExcelとITで効率化して、仕事と人生を楽しもう」より転載、編集しています。


 会社員、個人事業主、法人(経営者)といった立場によって税金のルールは変わります。

収入に対してかかる税金

 仕事で収入を得た場合、その立場によって税金の種類が変わります。

 法人(会社)を経営していて会社で収入を得れば、法人税、それ以外は所得税です。さらに所得税は、給料の場合と事業の場合(個人事業主、フリーランス)でルールが変わります。

 経営者で法人から給料を払っている場合、所得税のルールも関係してきます。

 まとめるとこうなります。

税金の計算方法の違い

 それぞれの特色は次の通りです。

1. 個人・会社員

 会社から給料をもらう立場の人は、収入(給与)から経費を引いた所得に税率をかけて計算。経費は概ね計算した金額で原則として増やせませんが、その代わり領収書の保管や記録が必要ありません。税金の計算は、原則として会社でやってくれます(年末調整)。

 所得に応じて、上の表で所得税を計算します(さらに住民税がかかる)。※所得税額の10%の復興特別所得税もあります

2. 個人・個人事業主

 フリーランスでいわゆる起業をした場合には、収入から経費を引いた所得に税率をかけて計算します。経費は、領収書の保管や記録によります。毎年、確定申告(自分で計算、申告、納税)をする必要あります。

 所得に応じて、上の表で所得税を計算します(さらに住民税・事業税がかかる)。※所得税額の10%の復興特別所得税もあり

 消費税の知識も必要となります。

3. 法人経営者

 会社を登記し、その代表となる場合。収入から経費を引いた所得に税率をかけて計算します。経費は、領収書の保管や記録によります。また毎年確定申告(自分で計算、申告、納税)をする必要があります。

 法人の所得に応じて、上の表で法人税を計算(さらに住民税・事業税・法人地方特別税がかかる)。※中小企業(資本金1億円未満などの要件を満たすもの)の場合。かつ法人税額の10%の復興特別法人税もあり

 消費税の知識も必要となります。

 そして、会社から給料を払うので、個人・会社員の立場でもあるのです。自分の給料に対しては、「1 個人・会社員」のルールが適用されます。

会社員→個人事業主→法人とルールが変わる

 仕事人生のパターンとしては、主に次の3つがあるでしょう。

(1)会社員のみ

 定年後または定年前に個人事業主になるケースもあります。定年後、年金収入となると、自分で所得税を計算しなければいけない場合もあります。

(2)会社員→個人事業主→法人

 いわゆる起業。会社員から個人事業主として起業するパターンです。会社員と個人事業主は、同じ個人であり同じ所得税のルールですので、できることにも限りがあります。

 ただし、法人設立費用(株式会社なら30万円程度)もかかりませんし、維持費(法人は利益がマイナスでも毎年最低でも7万円かかる)もありません。

 まずはこの形態で、起業するのがセオリーの1つです。利益が増えてきたり、消費税がからんできたりしたら、法人設立を考えます。上記の3つのルールを段階に応じて学ぶ必要があるでしょう。

(3)会社員→法人

 いきなり法人設立して起業するパターン。法人設立の必要性がある場合(出資を受ける、法人でないと取引できない等)はこのパターンになります。

 前述のとおり、設立コスト(30万円程度。初回のみ)、維持費(年7万円〜)、移転コスト(3万円〜)などがかかります。個人事業主としての知識はいりませんが、法人に対する税金のルール、会社員としての税金のルールを把握することは必須です。

 そして個人と法人のルールが違うことを利用した節税もたくさんあります。法律上、個人と法人は別物だからです。合法的に、大手を振って節税するには、この知識が欠かせません。

筆者プロフィール

タイムコンサルティング代表取締役・税理士。会計ソフトfreee認定アドバイザー。総務省統計局勤務の国家公務員から税理士となった「ITと数字のプロフェッショナル」。Excelによる業務効率化を得意とする。日課は、早起き(4〜6時)、ブログ執筆、トライアスロンのトレーニング、料理、少々ゲーム。ブログは2007年7月9日より毎日更新中。


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