たった5分で座り心地が一変――ハーマンミラーが伝授する「最高の」作業姿勢とは腰痛がラクになる(1/2 ページ)

仕事中の姿勢が悪いと体に負担がかかる。肩こりや頭痛に悩む人は、まずは姿勢を直してみてはどうだろう。アーロンチェアなど高品質なワークチェアを開発しているハーマンミラーに、仕事中の最適な姿勢を聞いてみた。

» 2014年02月07日 14時00分 公開
[渡辺まりかBusiness Media 誠]

 肩こり、頭痛、腰痛――。こうした体の不調に悩むデスクワーカーは多い。椅子に座ってデスク上のノートPCをカタカタ、というスタイルは変えられないが、ちょっと姿勢を変えるだけで、こうした不調はずいぶんと楽になる。

 体に負担がかからない姿勢とは、どんなものなのか――。人間工学に基づくワークチェアやデスクを開発する老舗メーカー、ハーマンミラージャパンの福田怜美氏に話を聞いた。

 「そもそも座ること自体が体に良くないんです」――。福田氏は、こう指摘する。人間の脊椎は元来S字に湾曲しており、座っている場合、椎間板には立っているときの1.4倍の圧力がにかかるという。たいていの人は座ると猫背になってしまうが、これだと立っているときの2倍近くの圧力になる。こうした圧力が長時間かかると椎間板ヘルニアになりやすくなってしまうのだ。

背もたれ・座面・肘掛けで重さを分散する

 では、どうすればその圧力を軽減し、腰痛を防げるのか。

 「どうしても座らなければならない時は、背もたれに上体を預けてください。それだけでほぼ立っている時と同じくらいにまで、椎間板にかかる圧力が軽減されます」(福田氏)

姿勢による椎間板への圧力の違い 姿勢による椎間板への圧力の違い

 肩こりに悩む人もいるだろう。そういう人はキーボードの位置に気をつけるとよい。キーボードの位置が体に近いと、手首や手のひらの付け根を圧迫してしまい、指先がしびれることがある。また、キーボードの位置が高く、常に腕を持ち上げている状態になると、肩に力が加わり、肩こりの原因になってしまう。こういうときは、肘掛けで腕を支えるのが有効だ。

肘掛けを利用する 肘の角度が90度になる状態にし、肘掛けで腕を支える

 椅子の高さは、足を地面に置いたときに、膝が90度になるくらいがよいという。それより低いとひざに負担がかかり、高いと太ももが圧迫されて血行不良を招いてしまう。

座面の高さを調整する 膝の角度は90度になるよう座面を調整する

 しかし、せっかく椅子や肘掛けの高さを調整しても、キーボードを置く机の高さが合わなければすべてが台無しになってしまう。机は高さを変えられないものも多いが、ちょっとした工夫で問題を解決できるという。「フットレストを使うのがお勧めです。足がしっかり地面に着いていればいいので、フットレストが手に入らない場合は、身近にある段ボール箱などで代用することも可能です」(福田氏)

フットレスト 膝と肘の角度は90度。机の高さに合わせるためフットレストを利用できる

目の疲れはディスプレイの位置が原因?

 ディスプレイの位置も重要だ。「仕事でノートPCを使う人が増えていますが、ディスプレイの位置が目の高さよりも低くなりがちです。そうするとディスプレイを見ようとして猫背になってしまったり、無理に首を曲げてしまい、首の不調を招いてしまいます」(福田氏)

 では、ディスプレイはどこが適正な高さなのか。「顔を正面に向けた時、ディスプレイの上端が見えるくらいがちょうどよい高さです」と福田氏。それより高くなると、目を見開くことになって目が乾きやすくなる上、常にまぶたが緊張するので眼精疲労が起きやすくなるという。目を少し伏せた状態でディスプレイ全体を見渡せる程度の高さであれば、目の疲れや頭痛を軽減できる。

ディスプレイの位置が低いと肩や腰に負担がかかってしまう。適正な高さに置くことで、眼精疲労も防げる

 ハーマンミラーではディスプレイを適正な位置に保つフローモニターアームや、ノートPC用のラップトップマウントを提供しているが、これらを使わずとも、ノートPCの下に厚みのある箱などを置くことである程度代用できる。

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