あるiPhoneユーザーの朝の習慣iPhone買っちゃった!?

自称“iPhoneマスター”の藤堂は、朝起きると、まずはiPhoneに登録してあるスケジュールチェックから1日が始まる。

» 2014年01月28日 11時30分 公開
[美崎栄一郎,Business Media 誠]

集中連載「iPhone買っちゃった!?」について

 本連載は2013年10月15日に発売した『iPhone買っちゃった!? けど、使いこなせてないあなたへ』(ソシム刊)から一部抜粋しています。

 iPhone買っちゃった!? でも……。

  • メールとWebくらいしか使っていない
  • もっと、自分に合ったアプリを知りたい
  • マニュアル本は読みたくない

 そんな方に。

 「読むだけ」で、iPhoneを活用できる本ができました。ビジネスやプライベートで、この本に載っている「あのシーンのあの使い方をしてみよう」と思わせる新提案です。

 2000種類以上のアプリを試し、iPhoneやiPadの活用術についての講演、執筆などにもひっぱりだこの著者が、具体的なビジネスシーン、生活シーンでのiPhoneの使い方を、3人のビジネスパーソンを中心とする小説で具体的に紹介。iPhoneの使い方だけでなく、ビジネスにおける発想法や仕事術も織り込んだ1冊です。


 藤堂は朝起きると、iPhoneに入っているスケジュールをチェックした。「miCal」というスケジュール管理アプリが最近のお気に入りだ。このアプリだと、今日1日の予定が一覧で表示されるのだ。

miCal

1日ビューが見やすいカレンダーアプリ。住所などの情報はグーグルマップなどの他のアプリとうまく連動してくれるので、無駄にコピー&ペーストを繰り返すことなく、タップ動作で目的の地図情報までたどり着ける。



「miCal」スクリーンショット(App Storeより)

 10時の横に「待ち合わせ。伊達(同期)」、10時29分「移動」、12時30分「ランチ。こだわりトンカツねぼけ」、14時「商談。宇都宮ゴム」と列挙されている。そうそう、ついにこの絶品だと評判のトンカツが食べられるぞ。そう思いながら、藤堂はゆっくりパンとコーヒーの朝食をとっていた。食事をしながら、スケジュールの画面を出して1日の段取りを考えることが、藤堂の日課なのだ。

 初めて訪問する会社だから時間が読めないけど、商談は2時間とすると、このまま直帰だろう。帰りは、秋葉原にでも寄ろうかな。

 「今日の帰りは何時ごろになるの?」

 食卓をはさんで、藤堂の妻が訊ねた。

 「今日は宇都宮に外出だから、遅くても19時くらいには帰れると思うけど、餃子でも買って帰ろうか?」

 「餃子なんて、どこでも買えるわよ」

 「まあ、たしかに(笑)。じゃあ、お土産はいらないかな」

 食事を終え、もう一度「miCal」の画面を見ると、大きく7時20分と表示されている。天気を調べるために、iPhoneの画面上部の現在時刻が表示されているところから指を下にスライドさせ、「通知センター」の天気を表示した。東京は晴れだ。さらに画面をタップすると、「天気」アプリが起動する。さらに、右にスライドさせると、出張が決まった時点で登録した宇都宮市が表示された。出張や旅行に行くと決まると、どんどん追加していくのが藤堂の習慣だった。

 機械の部品を扱っていると、温度や湿度によって予想外のトラブルが発生することもある。電話やメールで問い合わせがあったときに天気のアプリをスライドさせれば、過去に訪れた場所の今の天気が簡単に分かるのだ。おかげでテレビの天気予報は見なくなった。藤堂のiPhoneの天気予報は、今は、現在地(東京)、宇都宮、鹿児島、福島、富山、名古屋の順に表示されるようになっている。こんなふうに自分が知りたい地域だけを表示してくれる天気予報番組はない。

 天気も問題なさそうなので、所持品のチェックのためにチェックリストを確認することにした。iPhoneの中に入っている「モチメモ 2」は、荷物をチェックしながら片手で操作できるので、藤堂は紙のチェックリストを使わなくなった。いちいちペンでチェックしていくのが面倒だからだ。

モチメモ 2

外出、旅行、出張などシーンに応じた持ち物のチェックリストがあれば忘れ物をしなくて済む。リストは他の人が作ってくれたリストを簡単に取り込むことができ、それを元に自分用にアレンジもできる。



「モチメモ 2」スクリーンショット(App Storeより)

 □財布、□SUICA、□ハンカチ、□名刺、□ノート、□ペンケース、□iPhone、□予備バッテリー、□バンドエイド、□フリスク……。

 画面をタップすれば□にチェックが入る。藤堂は数分で支度を整えた。仕事では同じ作業が繰り返されることが多いが、つい記憶に頼って行ってしまいがちだ。持ち物の準備なんてとくにそうだ。別にリストがなくても出かけることは可能だが、人の記憶は意外に曖昧だし、できるだけ余計な思考にパワーを割さかないのが藤堂のやり方だ。

 iPhoneのアラームが鳴った。『伊達へメッセージ』と通知されている。iPhoneのアラームは何個でも登録でき、ラベルの項目を変えるとアラームの用件を入れることもできるのだが、藤堂ですら、これに気が付くのには時間がかかった。標準アプリの「時計」。その名称から、アラームやストップウォッチの機能があるとは気が付かない人も多いかもしれない。

 藤堂は、タイムリーに同期の伊達にいたずらメッセージを送るために、わざわざアラームをセットしていたのだ。

 「iPhoneの充電池忘れないようにね。ママより」

 最近ノリでiPhone買ったばかりで、何かあれば同期入社の藤堂に使い方を聞いている伊達浩志は、ちょうど自宅を出るところだった。なんで絶妙なタイミングで、こんなことできるんだろう、アイツ。

 「はーい。ママ。大丈夫だよ。コウシ」

 藤堂は、伊達浩志からのメールを見て、そうか、コウシと読むのか、と少し驚いていた。ずっとヒロシだと思っていたぞ、訂正しておこう。藤堂は、iPhone画面の一番上に表示されている時計の数字をタップしてショートメールの一番上に戻り、「連絡先」のボタンをタップした。

 「連絡先」への登録は、すぐにやってしまったほうがミスが減る。ふりがなを「ヒロシ」から「コウシ」に変更した。名前を間違えると、謝ったり恐縮したりと余計な手間が掛かるけど、正しく登録してあれば間違えることも減る。iPhoneの場合「連絡先」に登録してあると、日本語変換のときにも候補として表示されて便利なのだ。素早く修正を終えると、藤堂は自宅を出た(続く)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ