Bluetooth機器は、接続したい機器同士でまずペアリングという作業を行う。大抵の場合は、キーボードの裏面などにあるペアリングボタンを長押しし、タブレット側のBluetooth設定画面で該当するキーボード名をタップすると完了する。この作業は一度だけで、2回目以降は不要。あとはタブレットのBluetooth設定とキーボードの電源がオンになれば、自動で接続される。
ただし、2台のタブレットで1台のキーボードを使い回すような場合、ペアリング台数の上限が1台のBluetoothキーボードでは、接続先を切り替えるたびに改めてペアリング作業を行わなければならない。
この手間を軽減するため、昨今のBluetoothキーボードはペアリング台数を2台以上に設定している製品も増えている。これならペアリングを何度も行う必要がなくなるが、「2台のタブレットのBluetoothを同時にオンにしたとき、どの順番で接続するか」といった接続優先順位を考慮する必要はある。
特に注意したいのはキーボードの横幅だ。狭い場所で使うには小さい方がいいが、そうなると今度は入力がしづらくなったり、特殊キーが使いにくくなったりする場合もある。
現在標準的なのは3.0だが、一部では2.0の機種もある。最近のタブレットはどちらのバージョンのキーボードも使えるはずだが、古いタブレットと組み合わせる場合には念のため対応OSをチェックしよう。
キーを指で押すときにどれくらいの力をかけるのか、反力はどれくらいかといったキータッチにこだわる人は多いだろう。ただし、こればかりは誌面でお伝えするのが難しいので、店頭展示見本などで確認してほしい。
それではiOSで使えるBluetoothキーボード4種を実際に見ていこう。
折りたためば背広のポケットに収まるほどのサイズになるコンパクトキーボード。スマートフォン用のスタンドも内蔵しているので、タブレット以外で利用するのにも便利。ペアリングは4台まで可能だ。
メーカー自ら「iOSに最適化した」とアピールしている。それをもっとも実感するのは「かな」と「英数」のキーがそれぞれ独立しており、スペースキーの左右に配置されている点だ。これはApple Wireless Keyboardと同じ構造。他の一般的な英語配列キーボードは、そもそもこのキーがなく、command+スペースキーの同時押しで代替することが多いが、RBK-3200BTiは英語配列と日本語配列の折衷になっている。iPhoneおよびiPadのホームキーに準拠するボタンも、左カーソルキーの左側というアクセスしやすい場所にある。
その他の特殊キー配列は比較的オーソドックス。ただし、Windows用の日本語配列キーボードとあえて比較してみると、「ファンクションキーが一切ない」「Escキー入力がFnキーとの組み合わせ式である」という点には注意が必要だ。これらのキーはiOSではあまり使い道がないが、仮にiOS以外の機器とRBK-3200BTiを接続した場合にマイナスと感じる人がいるかもしれない。
RBK-3200BTiには、キーボードを開いた状態のまま固定するスライド式スイッチがある。これをLock状態にしておけば不意に中折れしないため、不安定な場所でも使える。新幹線のテーブルのような狭い場所にタブレットを置き、キーボードを膝の上に置いて使うような場合は、この仕組みが役立つだろう。
非折りたたみ型の標準的なキーボード。独立式の「英数」「かな」キーがなく、ほぼ完全な形の英語配列キーボードと言ってよい。F1〜F12の入力はFnキーと組み合わせて行う。Windowsキーを廃し、commandキーを搭載していることからも分かるように、iOS端末やMacで使用することが前提となっている。
最大の特徴はバックライトを搭載している点。キートップの文字やキーとキーボード本体の隙間などが光り、薄暗い場所でのキーボード入力を快適にする。
ペアリングの上限は最大3台。この接続先をワンタッチ(F1〜F3に相当するキーの押下)で切り替えられるのも他機種との大きな違いだ。Bluetooth接続の優先順位はペアリングを行った順になるケースが多く、機種によっては「優先順位2位の端末と接続するために、優先順位1位の端末の電源をオフにする」という手順が発生する。K811なら、その手間を省ける。
折りたたみ型ながら布状(ナイロン)のパーツで左右のキーボードをつなぐというちょっと変わった構造を採用している。不意にひねってしまいそうなのが不安だが、折りたたむ際はマグネットで固定され、ズレを防止するための突起部もある。
キーは英語配列。iOS用をうたっているものの、Windowsキーがある(Mac用commandキーと兼用)。iOS上の音楽再生コントロールなどもショートカットキーで行える。
充電用の端子はminiUSB。microUSBケーブルとは異なるため、ケーブルを1本余分に手元へ置いておかねばならない点が少々残念だ。
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