通りすがりの人が思わず足を止めるような、パンチの効いたプレゼンはできないものか――。そんなときこそプロジェクションマッピングの出番だ。段ボールと下敷き、洗濯ばさみ、小型プロジェクター、三脚、iPadを用意して、さぁ、やってみよう。
まずは、何もいわずにこの動画を再生してほしい。
動画を視聴できない環境にいる人のために解説すると、モバイルプロジェクターを利用して、iPadの映像を段ボールと網入りの下敷きに投影することで実現した初音ミクのライブだ。
これがスゴいのは、1つのプロジェクターで出演者とステージ、背景という3つの要素を映しだしているところ。出演者/ステージ/背景で分けた専用動画を作成し、それぞれの投影場所をプロジェクションマッピングアプリで指定することで、「2次元なのに3次元!」というイメージを見せているのだ。普通にプロジェクターでスクリーンに投影すると、映像は平面にぺたっと表示されるだけ。ちょっとした工夫でこんな表現が可能になるのは驚きだ。
プロジェクションマッピングといえば、東京駅(2012年9月)の「TOKYO STATION VISION」、鶴ヶ城(2013年3月)の「鶴ヶ城プロジェクションマッピング『はるか』」など、大がかりなものが注目を集めている。それを可能な限り小さなシステムで、しかも個人でやってしまったところが面白い。
冒頭の動画は2013年2月、ニコニコ動画に投稿された作品なので、ネットに詳しい人はご存じかもしれないが、初めて見た人は「こんなことができるんだ!」と驚いたのではないだろうか。
しかも、特別な機材を使っているわけではないので、やる気さえあれば誰でも同じことが再現できる。ということは、プロジェクションマッピングを使って“パンチの効いたプレゼン”をやろうと思えばできてしまうわけだ。
そこでまずは、プロジェクションマッピングプレゼンの最初の一歩として、Microsoft PowerPointの文字をぐるぐる回してみることにした。
ビジネスシーンでのプロジェクターといえば、プレゼンテーション用ツールとしての活用がメインだ。見た人に“面白い”と思わせて印象づけるという点では、このプロジェクションマッピングはかなり優秀なはず。実際、Nokiaの「Lumia 800」やHyundaiの「Accent」など、大がかりなプレゼンで使われた例もある。
ここ数年で3Dスキャナや3Dプリンタ、ヘッドマウントディスプレイなどといった新世代のハードウェアが相次いで登場し、立体を使った映像表現が増えている。そんな中、プロジェクションマッピングを使ったプレゼンテーションは、展示会や学会、学園祭など、“据え置きで何かを見せるシチュエーション”で、通りがかりの人を引きつける強力なフックになりそうだ。
まぁ、そんないいわけはともかく、プロジェクションマッピングは遊びとしても面白い。ひと味違うプレゼンでインパクトを与えたい! と考えているなら、アプリとプロジェクターをゲットしてお試しあれ。
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