お金持ちがやっている、「なるほど」の蓄財術一生お金に困らない「華僑」の思考法則

お金持ちがおごるのには意味があります。おごったお金は消えるのではなく、おごった相手の財布に移動すると考えているのです。

» 2014年01月15日 11時00分 公開
[大城太,Business Media 誠]

集中連載『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』について

 本連載は、2013年10月31日に発売した大城太著『一生お金に困らない「華僑」の思考法則』(日本実業出版社)から一部抜粋、編集しています。

 日本人だからこそ分かる華僑の行動法則。大物華僑の元で超実戦的な修行を積み、独立した初年度から年商1億円を稼ぎ出した著者が、自らが実践し、成果を出した「華僑の思考法則」を紹介します。

 破天荒な行動には理由がある。「スケジュールは常に空けておく」「とにかく“借り”をたくさん作る」「人を見るときは目ではなく、口を見る」「嫌いな人にこそ接近する」「ペットは好きでなくても飼う」──など、日本人にとっては「?」な華僑の常識。しかし、この思考法則や行動の由来をひも解くと、もうけにつながる驚くべき「人間の本質」が見えてきます。

 書籍では、門外不出といわれる華僑流の考え方をお金、仕事術、時間の使い方、コミュニケーション法、人脈術に分けて紹介している。華僑の元で修行をした著者だからこそ書ける、日本人には思いもよらない成功法則が満載。


 華僑は、競うがごとくおごり合うという話を前述しましたが、これは華僑流の蓄財術でもあるのです。おごったお金は消えるのではなく、おごった相手の財布に移動すると考えているのです。財布から貯金箱や銀行口座へお金を移すのと同じ感覚なのですね。

 つまり華僑は自分の財布以外にもたくさんの財布を持っていて、おごることで他人の財布にどんどんお金を貯めていくわけです。自分の財布に入れられるお金は限られています。その中身がなくなったらもうお金を使うことはできませんが、人の財布にお金を入れておけば、自分の財布がカラでも必要なときにお金を引き出すことができます。

 常日頃からおごっておけば、「今日はお金がないからおごって」と気兼ねなく言えますし、おごってもらうことはおごる側を利する面でも2つのメリットがあります。

 1つは、おごる側の面子を立たせること。もう1つは、「次に自分の財布を使う権利」をあげること。このメリットも共通認識となっているため、おごりっぱなし、おごられっぱなしということはありません。おごり合うことで財布を共有する仲間をどんどん増やしていくのです。

メンタルブロックを解除すれば財布が増える

 さて、ここまでの説明で「なるほどね」と一応は納得されたかと思いますが、「とはいえまねはできないな」と、非現実的な話としてとらえた人も多いのではないでしょうか。

 先に申し上げますが、まねできない理由が「人におごるのが嫌だから」であれば、そもそも華僑流には向いていません。しかし「おごるのはいいが他人の財布を使うのは難しいから」という理由であれば、メンタルブロックを解除するだけでOKです。

 助け合い精神の豊かな日本人は、「俺のものはお前のもの」と、自分のお金や物を他人に分け与えることは比較的得意です。反面、一度人にあげてしまったお金や物を「お前のものは俺のもの」だから使わせてくれとはなかなか言えません。

 だから食事をおごるにしても安く済ませられたら内心ホッとしますし、おごられる場合も安ければ相手に負担をかけずに済んでよかったと考えます。しかし本当は高くついたほうが、これだけお金を使ったのだからと相手との関係をつなげようとする欲が出て結果に結び付きやすいのです。

 商売も同じで、安く売るより高く売ったほうが顧客の真剣度が増し、結局は顧客のためになる。このたぐいの思考は日本にも広まりつつありますが、実践している企業も個人もまだまだ少ないですね。だからこそチャンスです。

 まずは「人の財布にお金を貯めていく」という意識を持っておごり、「お金をちゃんと受け取ってあげる」という意識を持って遠慮なくおごられてください。

メンタルブロックを解除する鍵は「ユーモア」

 メンタルブロックは自分だけでなく相手の中にもあります。相手のブロックも解除しなければ、華僑同士のように財布を共有することはかないません。そこでぜひ鍛えていただきたいのが「ユーモア力」。日本人はユーモアのセンスがないといわれますが、問題なのはセンスではなく、口に出せないことです。

 今夜にでも友だちを誘って飲みに行き、「今日財布持ってきてないからおごってよ」と明るく言ってみましょう。「マジで? わざと?」と友だちが驚いたら「今度は俺の財布を使わせてやるから。そのほうが得だろ?」と笑って返しましょう。

 ビジネスオーナーである私は、会社員の友人に比べると自由にお金を使えますから、中には私がおごって当たり前だと思っている人もいます。そんな人は私が「ラーメンおごって」と言うと当然びっくりしますが、ここでユーモアを効かせるわけです。

 「お前、カッコわるいと思わへんのか? 社長やのにラーメン代出さへんて!」

 「あほか、俺とお前は同級生やぞ。金で付き合ってるんとちゃうやろ? それにこないだは俺がおごって、次はお前がおごると約束したやろ? 俺は約束守って今日は財布持ってこなかったんや。お前も約束守れ。それで俺たちの友情はさらに固くなる」

 とまあこんな感じです(私は関西出身ですので、関西弁の会話をそのまま再現しました)。

 このようにおごりおごられる中でユーモア力も鍛えられていくのです。人の財布を使えないという人は、メンタルブロックを壊すための練習だと思って気軽に試してみてください。

今回教え

「おごれば相手の財布にお金が貯まる」


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