広告費ゼロ、1人でできるWebサービス開発の限界に挑戦クラウドワークスで始める新しい働き方

東京工業大学卒業後、ドリコムの研究室室長などを経てS21Gを設立した瀧内元気さんは、クラウドワークスの技術顧問も務めるエンジニア。100万ユーザー越えのサービス開発の経緯や、その背景にある働き方を聞いた。

» 2014年01月10日 12時30分 公開
[クラウドワークス]

「クラウドワークスで始める新しい働き方」とは?

クラウドワークス

インターネットを通じて仕事の受発注ができるクラウドソーシング事業を営むクラウドワークス

本記事はクラウドワークスが同社の事例を通じて新しい働き方を紹介するメールマガジン「CrowdworkingMagazine」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。


 8歳ごろにプログラミングと出会い、検索エンジンからレンダリングエンジン、Webサービスの開発まで手広く扱うスーパーエンジニアの瀧内元気さん。

 東京工業大学卒業後、ドリコムの研究室室長などを経てS21Gを設立。Ruby、Scalaを中心に、自身でもクラウドソーシングでの開発を日常的に行い、広告費ゼロで100万ユーザーを突破したWebサービス、アプリを手掛けた。そんな瀧内さんにドリコム入社から独立、開発の経緯などを聞いた。

瀧内元気さん

※本記事は、2012年8月30日に「CrowdworkingMagazine」で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。

起業志向の仲間が多かったドリコムから独立

瀧内元気さん: 大学時代は研究が好きで研究に明け暮れ、就職活動をしていませんでした。大学卒業後に当時研究していたCGのレンダリングアルゴリズムの知識を活かせる仕事がないだろうかと、「レンダリング」とGoogleで検索して1位の会社に履歴書を送り、すぐにその会社に入社することになりました。CGという自分の研究分野を活かせる職場でやりがいを感じていましたが、数百万人規模のより多くのユーザーが利用するサービスに携わりたいと思い、当時ブログシステムで急成長していたドリコムに転職しました。

 当時のドリコムには起業志向の人が多数集まっていて、私も学生時代から漠然と将来は起業したいと思っており、起業志向の人が多く集まる環境に身を置きたいと思いました。ドリコムではサービスの新製品開発を担う研究室の室長を務め、技術力の高いエンジニアと切磋琢磨し、刺激を受けました。

 そしてドリコムで2年ほど務めた2007年の10月に、機が熟したと考え、独立しました。会社の仲間からも独立する人が出てきて、その後仕事をもらうこともできたりして、仲間に恵まれました。

広告費ゼロで100万ユーザーを突破したWebサービス、アプリを2作品リリース

 独立当初は自社でWebサービスを手掛けようと思っていましたが、最初から収益が上がらないということもあり、アプリやSDKライブラリ制作などの受託を手掛けていきました。受託の仕事は、ドリコム時代の同僚や、勉強会を通して知り合った方にお声を掛けて頂くことが多く、営業をしたことはありませんでした。VC(ベンチャーキャピタル)から資金を調達して会社を拡大することも考えましたが、外部から投資家が入ると規模の拡大を追う必要性が出て、純粋に作りたいモノを作れなくなるのではないかという思いがあり、出資は受けませんでした。

 独立してもうすぐ5年(2012年当時)になりますが、その間にTwitterのプロフィール検索をする「twipro」、手鏡となるiPhoneアプリ「ハンドミラー」の2作品が、自社サービスとしてユーザー数100万人を突破しました。この2作品とも、知り合いのメディアの方にプレスリリースを送ったくらいしかプロモーションをしておらず、広告費を1円も掛けませんでした。最初は受託の比率が高かったですが、現在はこうした自社サービスの運用や他の新規サービスの立ち上げに多くの時間を割くようになりました。

100万人以上が利用するサービスを作り続けていたい

 お金儲けよりも多くのユーザーに利用されるサービスを作ることに興味があり、今後もその方向性を続けていきたいと思います。実現したいアイディアが山のようにあり、そのサービスの制作のため、しばらくはずっと予定が埋まっています。社会のインフラとなるようなサービスを、自分1人で回せるような規模で運用していきたいです。1人でできるWebサービスの開発や運用の限界を突き詰めたいと思っています。

 1人でサービスの運用を継続するには、運用を仕組み化して自動的にできるシステム設計が必要であり、そうした自動化の設計にも力を入れています。サービスが大きくなるに連れて会社を大きくするのではなく、1人もしくは数人で回せるレベルで運用を継続していきたいです。会社は現在、私ともう1人だけです。会社を大きくすることよりも、ユーザーに向けてサステイナブルに事業を運営していくことに興味があります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ