知らなきゃ損する青色申告の超シンプル構造freeeでやる青色申告(1/3 ページ)

「経理はできない」という固定観念に縛られて節税チャンスを逃していませんか? 経理は数字が得意じゃなくてもできるんです。

» 2013年12月20日 12時00分 公開
[菅葉奈Business Media 誠]

 もうすぐ確定申告の季節がやってきます。確定申告とは、納める税金の額を申告するためのシステムです。「白色申告」と「青色申告」の2種類があり、おすすめは作業が複雑なものの税制上の優遇が大きい青色申告。会社員の場合は、一部例外を除いて会社が全て手続きを代行してくれるので、あまり縁のない言葉かもしれません。

 しかし個人事業主にとっては避けて通れないイベントで、毎年この時期になると、来たるべき確定申告を思って気分がめいるフリーランスが続出します。かくいう私もその1人。簿記の知識ゼロ、そもそも数字を見るのも苦手で、ついつい経理の作業を先延ばしにしてきた結果、ほぼ手つかずの状態で放置したまま1年の大半を過ごしてしまいました。

 最近では登録しているナレッジ・リンクスさんからも依頼が増えるなど、今年の申告作業がより複雑化することは確実。ピンチを切り抜けようと必死で調べた結果、確定申告の驚くべきシンプルさを発見しました。

フリーランスに求められるマッチョさとは

 青色申告について話をする前に、まずその前提となる「経理」について考えたいと思います。

税務署からこのような資料が届いていないだろうか

 持っている資格や技術を生かして独立するフリーランスは多くの場合、その業務を遂行するために本来必須なはずの経理について、無関心だったりします。

 「スキルを高めてクライアントを開拓するほうが大切、経理ってよく分かんないし、取りあえず後回しにして、ムリそうだったら専門家に頼めばいいし!」

 という考えです。要するに経理を自分にとって不要なもの、ジャマなものとみなしているわけです。

 でも、本当にそうでしょうか?

 私もかつてはそう考えていましたが、経理の意味を知るにつれ、考えが変わってきました。経理には3つの意味があります。

  1. 税金を支払うため
  2. もうけを把握するため
  3. 融資を受けるため

 1については、税金なんて誰もできれば払いたくないものですから、魅力でも何でもありません。3も、運営に当たって銀行に融資を申し込む必要がない人には、ピンとこないでしょう。重要なのは2です。

 20年近く不況が続く中、モノやサービスが売れなくなり、多くの企業経営者は苦しい状況に追い込まれています。市場のプレーヤーで最も弱い立場であるフリーランスは最も厳しい状況にあると言えます。金融不安や世界情勢の変化など、個人の自助努力ではどうにもならない要因によって顧客が増えない、軌道に乗らない、赤字が増えていくという事態に陥る危険性もあります。

 そこでフリーランスに求められるのは、業務拡大よりもむしろ、自らの体力の増大。自己管理して無駄を省き、経営感覚を磨くことで、業績の浮き沈みに負けないマッチョさを身に付けるべきです。そのために必要なのが経理です。経理はやらなければいけない面倒な作業ではなく、自分を守るための大切な作業です。もちろん事業安定後も経理を続ければ、成功体質をより強固にする保険にもなります。

 とはいえ日々の業務に追われる中で、きちんと帳簿付けをするのは大変。しかし、放っておくとどんどん後回しになります。そこで国が1年に1度、強制的に自己管理させる機会を与えてくれています。それが確定申告です。

 青色申告を選択すると、きちんと簿記を付けることで貸借対照表と損益計算書が作成でき、自分の経営状態を正確に把握できるようになります。しかも節税できるという「ごほうび」が付く。そう考えると、経理って必要だなって思えますよね?

消費税8%時代の確定申告
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