入社1年目は「プロとしての姿勢」をつくる選ばれ続けるリーダーの条件(1/2 ページ)

新卒の入社1年目は、プロとしての姿勢を身につける期間です。社員研修の4月から給料がもらえますが、ただ喜ぶだけでなく「自分はお金をもらっている」「プロとしての力をつけることを期待されている」という責任を感じられるかどうかが、最初の分かれ目なのです。

» 2013年12月20日 11時00分 公開
[山元賢治,Business Media 誠]

集中連載「選ばれ続けるリーダーの条件」について

 本連載は、山元賢治著、書籍『選ばれ続けるリーダーの条件』(中経出版)から一部抜粋、編集しています。

グローバルの波の中で、仕組みや慣習もものすごいスピードで変わっていきます。日本企業のあり方や個人の働き方も、従来のままではいられない。刻々と変化する世界で、変わらず求められる真のリーダーの条件とは何か? 外資系トップ企業で30年活躍した経験を、次世代のリーダーに伝える1冊です。

アップル、オラクル、IBMやEMCなど、30年間外資系トップ企業で働き、ビジネス界の巨人と肩を並べてきた山元賢治氏が大切にするのは、誰からも「選ばれる」人が持っているルールです。

「選ばれる人は、目先のテクニックに走らず、もっとも守るべき“原則”を理解し、日々実践できるかどうかで決まる」

未来のリーダーを目指す人、リーダーとして頼られる人間になりたい人に読んでほしい1冊です。


入社1年目は「プロとしての姿勢」を身につける期間

 新卒の入社1年目は「プロとしての姿勢」を身につける期間です。

 新入社員研修を行っている4月から早速、給料が振り込まれます。このときに、ただ「うれしい」と喜ぶだけでなく、「自分は会社からお金をもらっている」という責任を感じられるかどうかが、最初の分かれ目です。

 採用されたのは、プロとしての力があるからではありません。プロとしての力をつけることを期待されたからです。入社1年目で給料をもらったからといっても、まだ先輩たちの仕事によって食べさせてもらっている状況です。

 このことを自覚して、プロとしての力がつくように努力すること。会社としては、一刻も早く先輩たちのレベルにキャッチアップすることを望んでいます。

仕事を捉える4つの視点

 1年目には、仕事に対するパースペクティブ(見取図)を持つことも大事です。

 仕事は「人」「モノ」「情報」「お金」という4つの軸で成り立っています。この4つが自分の仕事にどのように関わっているのかを認識することで、仕事のパースペクティブを得ることができます。

 まずは「人」です。仕事は、さまざまな人が関わることで成り立っています。仕事の内容によって異なりますが、企画立案者や設計担当者、プログラマー、工場の責任者、流通業者や販売業者、購入するお客さまなど、実に多くの人が関わっているはずです。自分の仕事にはどのような人が関わっていて、自分はそのどこに位置しているのか。まず、このことを認識してください。

 次に、商品となっているモノ(サービス)と自分の仕事がどのような関係にあるかを把握します。モノ(サービス)を作って売る。会社がやっていることは、基本はこれだけです。その中で、自分の仕事がどういう役割を果たしているかを考えます。直接、製造や販売に関わる部門に所属していなくても、人事部なら「最適な商品の製造と販売のために、最適な人材配置を実現している」と考えることができます。その中で、さらに「最適な人材配置のための人事考課や採用を行うサポートをしている」と自分の仕事を定義できれば、モノと自分の仕事が結びつくことになります。

 次が「情報」。1つの仕事には多くの情報が関わっています。市場の状況はどうなっているのか、新しい技術の開発はどのようなステージにあるのか。パートナーのモチベーションは高いのか低いのか、商品はユーザーにどのように受け取られているのか……など、さまざまな情報が関連しているのが仕事です。自分の仕事をどのような情報が取り巻いているかを考えてください。

 そして、「お金」。お金が自分の仕事とどのように関わっているかを把握します。プロジェクト全体でどれくらいのコストがかかっているのか、1人あたりいくらの粗利になるのか、1日遅れるといくらの損失になるのか。こういったお金に対するセンスは、ビジネスマンに絶対的に必要な要素です。どのような職種でも「数字に弱い」という言い訳は通用しないと思ってください。

 「人」「モノ」「情報」「お金」という4つの軸で考えると、自分が位置している地点の座標を得ることができます。このように自分の座標を知っていることが、プロとしての姿勢の基本をつくります。

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