慶大東門前にオフィスを構え、100人体制を目指す採用戦略ベンチャー企業オフィス100選【バズー編】

スマートフォンアプリ事業を営むバズーは、オフィス自体を“メディア”として捉え、人が集まるオフィス作りを目指している。

» 2013年12月25日 14時55分 公開
[オフィス通信]

「オフィス通信」とは?

ビルディンググループ

オフィスの移転・構築を通じて、すべてのオフィスワーカーの未来を創造するビルディンググループ。「オフィス通信」は、ビルディンググループが発行するオフィス環境の最新トレンドと、先進のワークスタイルを調査分析するオンリーワンの情報マガジンです。

本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。


 「生きる力を身に付けた人財を育成し、社会貢献を実現する」を経営理念に掲げ、スマートフォンアプリの企画から制作、開発、運用までワンストップで顧客の事業をサポートするバズー。2006年9月の設立から7年目を迎える2013年2月末、同社は東京・港区三田の慶應義塾大学東門正面に位置する「芝三田森ビル」7階へ本社を移転した。

 自身も慶大OBである代表取締役の森下洋次郎氏は、この新本社について「当社ではオフィス自体を“メディア”として捉え、人が集まるオフィス作りを目指しています。ヤフーやグーグルなどのような世界的なIT企業と戦っていくには、オフィスの『スマートさ』も重要な要素だと考えている。また、キャンパスの正面にスタイリッシュなオフィスを構えることで、新卒採用の強化を図り、2013年度中に社員100人体制を目指しています」と語る。

「オフィスをメディアに」スマホ事業に集約し移転

 移転前の同社は浜松町に自社ビルを取得し女性向けの習い事などのスクール事業や、ペットのアパレル販売などリアルなビジネスを展開していた。だが、今回の移転を機にスマートフォン事業に集中し、さらに新卒採用をパワーアップさせ優秀な若い人財の獲得に注力している。だが大学の門前にオフィスを構えることが、どのような形で採用に結び付くのか?

 森下氏は言う。「ここの会議室は、ミーティングスペースとして慶應の学生様に無料で開放しています。気に入ってくれた学生は、インターンシップとして当社で働いてくれています。今では、ほぼ毎日のように学生様が集まるようになりました」


執務エリアにはミーティング用に大きなテーブルも配置(画像左)、窓とエントランスに面した透明なガラスで採光性も良好な会議室(画像右)


会議室の壁に描かれた図は、同社のこれまでの歴史を示している(画像左)、インドネシア子会社は50人体制まで拡大。社内設置の大型モニターによって常時コミュニケーションを取っている(画像右)

意図的に死角を設けつつ、開放感ある空間をつくる

 エレベーターを7階で降りると、暖かみのある木の色が印象的なエントランスが視界に飛び込んでくる。正面にガラス張りにした執務エリアが見え、さらに左手には斜めに角度をつけたガラス張りの大会議室が広がっている。開放的でありながら、ひとめでは全体像が見て取れない奥行の深さは、森下氏のこだわりのレイアウトだ。

 「感動あるエントランスを作りたかったのです。会議室の角度は、一歩足を踏み入れた時の驚きを演出するために特にこだわったポイントの1つで、デザイナーと何度も相談して決めてきました。セキュリティの観点から、外から丸見えにならないように死角を設けつつ、開放的な空間になるように心掛けました」(森下氏)

 また内装には木材をふんだんに使い、自然な木の香りを漂わせることでリラックスしながら仕事ができる効果も期待しているという。


フリーアドレスを採用した執務エリアでは活発な意見が飛びかう(画像左)、代表である森下氏も従業員とデスクを並べて働くフラットな環境(画像右)

 執務エリア内はフリーアドレス制で、従業員は所属に関係なく気に入った場所で仕事ができるだけでなく、デスクの上になるべく物を置かず広くキレイに使用するためにペーパーレス化を徹底しているという。「組織作りにおいて透明性を高めることに最も重きを置いています。フリーアドレスによって部門横断的なコミュニケーションの活性化を図ると同時に、みんなでキレイに使うことで仕事場に対する愛着も生まれるし、当事者意識も育ちます。内装に関しては思い切ってコストをかけていますが、これはオフィスというメディアを創る上で必要な措置と捉えています」(森下氏)

※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ