スマートフォンアプリ事業を営むバズーは、オフィス自体を“メディア”として捉え、人が集まるオフィス作りを目指している。
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本記事は「オフィス通信」で掲載した記事を一部抜粋・編集して掲載しています。
「生きる力を身に付けた人財を育成し、社会貢献を実現する」を経営理念に掲げ、スマートフォンアプリの企画から制作、開発、運用までワンストップで顧客の事業をサポートするバズー。2006年9月の設立から7年目を迎える2013年2月末、同社は東京・港区三田の慶應義塾大学東門正面に位置する「芝三田森ビル」7階へ本社を移転した。
自身も慶大OBである代表取締役の森下洋次郎氏は、この新本社について「当社ではオフィス自体を“メディア”として捉え、人が集まるオフィス作りを目指しています。ヤフーやグーグルなどのような世界的なIT企業と戦っていくには、オフィスの『スマートさ』も重要な要素だと考えている。また、キャンパスの正面にスタイリッシュなオフィスを構えることで、新卒採用の強化を図り、2013年度中に社員100人体制を目指しています」と語る。
移転前の同社は浜松町に自社ビルを取得し女性向けの習い事などのスクール事業や、ペットのアパレル販売などリアルなビジネスを展開していた。だが、今回の移転を機にスマートフォン事業に集中し、さらに新卒採用をパワーアップさせ優秀な若い人財の獲得に注力している。だが大学の門前にオフィスを構えることが、どのような形で採用に結び付くのか?
森下氏は言う。「ここの会議室は、ミーティングスペースとして慶應の学生様に無料で開放しています。気に入ってくれた学生は、インターンシップとして当社で働いてくれています。今では、ほぼ毎日のように学生様が集まるようになりました」
エレベーターを7階で降りると、暖かみのある木の色が印象的なエントランスが視界に飛び込んでくる。正面にガラス張りにした執務エリアが見え、さらに左手には斜めに角度をつけたガラス張りの大会議室が広がっている。開放的でありながら、ひとめでは全体像が見て取れない奥行の深さは、森下氏のこだわりのレイアウトだ。
「感動あるエントランスを作りたかったのです。会議室の角度は、一歩足を踏み入れた時の驚きを演出するために特にこだわったポイントの1つで、デザイナーと何度も相談して決めてきました。セキュリティの観点から、外から丸見えにならないように死角を設けつつ、開放的な空間になるように心掛けました」(森下氏)
また内装には木材をふんだんに使い、自然な木の香りを漂わせることでリラックスしながら仕事ができる効果も期待しているという。
執務エリア内はフリーアドレス制で、従業員は所属に関係なく気に入った場所で仕事ができるだけでなく、デスクの上になるべく物を置かず広くキレイに使用するためにペーパーレス化を徹底しているという。「組織作りにおいて透明性を高めることに最も重きを置いています。フリーアドレスによって部門横断的なコミュニケーションの活性化を図ると同時に、みんなでキレイに使うことで仕事場に対する愛着も生まれるし、当事者意識も育ちます。内装に関しては思い切ってコストをかけていますが、これはオフィスというメディアを創る上で必要な措置と捉えています」(森下氏)
※本記事は、オフィス通信で掲載された記事を一部修正し、転載したものです。(執筆:浦上史樹)
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