GoogleやAmazon、成功者を輩出する「モンテッソーリ教育」現場を見てきたトップ1%だけが実践している集中力メソッド(1/3 ページ)

GoogleやAmazon、Facebook創設者も――成功者が皆受けた「集中力」教育プログラムによって生まれる“モンテッソーリ・マフィア”。日本でモンテッソーリ教育を実施している「こどもの家」を見学してきました。

» 2013年12月13日 08時30分 公開
[永田豊志,Business Media 誠]

 国内外のさまざまな業界で活躍するトップ1%の天才的な人々の多くが「モンテッソーリ」と呼ばれる幼児教育プログラムの出身者です。彼らが「モンテッソーリ・マフィア」と呼ばれていることは、以前の記事「GoogleやAmazon、Facebook創設者も――成功者が皆受けた『集中力』教育プログラム」でも紹介した通り。

 同プログラム出身者のGoogle創業者は、会社の成功の源泉をモンテッソーリ教育であることを名言しており、テレビインタビューでも、「自分で考えて行動することを学び、それにより興味のあることをとことん追求する自由を得ました」と語っています。自律と集中の力を極限まで高める教育プログラム。念のためどんな出身者がいるか、おさらいしておくと次の人々です。

  • ラリー・ページとセルゲイ・ブリン(Google創業者)
  • ジェフ・ベゾス(Amazon創業者)
  • マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)
  • ジミー・ウェールズ(Wikipedia創業者)
  • P.F.ドラッカー(経営学者)
  • バラク・オバマ(米国大統領)
  • クリントン夫妻(元米国大統領と国務長官)
  • ジョージ・クルーニー(俳優)
  • ウィリアム王子とハリー王子(英国王室)
  • アンネ・フランク(アンネの日記)
  • キャサリン・グラハム(実業者、ピュリッツァー賞作家)
  • ガルシア・マルケス(ノーベル文学賞作家)
  • ウィル・ライト(シミュレーションゲーム『シムシティ』で知られるゲームクリエイター)

 まさにトップ1%の天才ばかり。上記は欧米人ばかりですが、日本にもモンテッソーリ教育を実践する保育施設はそれなりにあり、「こどもの家」と呼ばれています。今回は、東京都内にある某「こどもの家」を見学してきましたので、その様子を紹介します。

成功者を続々と輩出するあの「お仕事」現場

 モンテッソーリ教育の提唱者であるマリア・モンテッソーリは、イタリア初の女性医師として活躍、その後、独自の理論を用いて子どもの知的発達を促すプログラムを開発し、その普及に尽力しました。

マリア・モンテッソーリ(現在の国際モンテッソーリ協会はオランダ。写真はウィキメディア・コモンより)

 今回はその教育現場「こどもの家」に訪れたわけですが、意外にも瀟洒(しょうしゃ)な一軒家でした。普通の保育園のイメージとは裏腹に、ヨーロッパの郊外に建つおばあちゃんの家、とでもいった感じです。そして訪問してさらに驚いたのが、現場がとても静かだということです。

 普通は幼児教育の現場は、皆がハチャメチャに動くので騒々しいはずなのですが、「こどもの家」はシーンと静まりかえっていました。モンテッソーリ教育では、6歳までの期間は「敏感期」と呼ばれ、新しい知やスキルの取得に非常に重要だと考えられています。

 現場では、1歳半から小学校に上がる直前の子どもたちが黙々と1人で「お仕事」をしていました。そして子どもの表情は多少あどけない印象はあるものの、非常に落ち着いており、大人びていました。

 現場で午前中いっぱいかけて子どもたちが行う「お仕事」とは、おはじきを穴に入れる、円柱を並べ替える、糸で縫う、はさみで形通りに切る、シールを貼るなど単純なものが中心です。しかし、どれもが「自分で考える」「指先を使う」ことをコンセプトとしています。

 こうした「お仕事」は先生が薦めることは一切ありません。子どもたちは道具部屋から自分で選び、自分の作業場所まで移動させ、それをやるのです。

 また、止めるのも本人の自由です。心ゆくまでやって、やり切ったら、きれいに片付けて道具部屋に返しに行きます。その間、先生たちはゆっくり見本を見せることはあっても、決して指示したり、注意したりすることはありません。子どもたちが自分で見つけた密かな楽しみをやり通すのを、辛抱強く見つめているだけです。モンテッソーリ教育において「自由」というコンセプトは絶対に犯してはならない重要なもののように感じました。

今回筆者が見学した「こどもの家」ではないですが、米国のモンテッソーリスクールの様子。子どもたちは自分で気に入った「お仕事」を選んで作業場所まで移動させ、夢中になって手先を動かしている(ウィキメディア・コモンより)
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