旅をしながら仕事はできる? 新しい働き方に生かせる4つのヒント3分LifeHacking(1/2 ページ)

もしも1年のうち2カ月、旅をしながら仕事ができたら――。「時間」に対する意識と仕事の「仕組み化」ができれば、こんな夢のような生活ができるかも? しれません。

» 2013年11月29日 09時00分 公開
[松田然/合同会社スゴモン代表・兼ライター,ライフハッカー[日本版]]
ライフハッカー[日本版]

 1年の6分の1に当たる約2カ月間。私は、旅をしながら仕事をしました。日本国内のみですが、自転車を移動手段に走行距離は約3000キロの1人旅。目的の1つには、旅の間も仕事をすることで、自らをこれからのワークスタイルの実験台にしようというアイデアがありました。

 今回は新しい働き方に興味がある人や、同様のチャレンジをする人の参考になるように、その旅に出る前や旅中に感じたことを紹介します。

 ポイントは4つ。

  1. 時間で働くのをやめる
  2. シンプルを追求する
  3. 基礎を大切にする(守・破・離)
  4. 好奇心に従い、自ら選択する

 「旅をするなら仕事のことを忘れて楽しみたい!」という気持ちもありますよね。私も、そんな旅は大好きです。しかし今回は「行きたいところはたくさんあるけど仕事を休めない」のような課題や、「旅をしながら収入も得たい!」といった願望など、少しでもそんな想いを抱いたことのある人へのヒントをお届けします。

1.時間で働くのをやめる

 私がまず変えたのは、「時間=給料」という考え方です。

 朝9時に出勤して18時まで働き、時には残業をする。社会人にとって当たり前に思えるスタイルですが、労働に費やす「時間」を企業や顧客に提供することが給料になっている場合も多くあります。結果的に、自分の時間を自由にコントロールするのは難しくなるでしょう。

 あえて株やFX、アフィリエイトなどを紹介することはしません(それも方法の1つですが)。本業を辞めずに旅をしたかった私は、ライターという仕事に加え、自分でも会社を経営することで、いつどこでも働けるスキルを身に付けたり、仕組みを作ることを優先しました。

 これからの時代、「作業」のような仕事は、海外の安い人件費やITに置き換わっていきます。そのとき「時間」以外で価値を提供してくことが必要だと思います。

 具体的な例を紹介しましょう。

営業をしない

 自社サイトへの問合せや関係者からの仕事の紹介はもちろん、ブログやソーシャルメディアを通じて、24時間365日仕事の依頼が来る環境を作っています。

オンラインで完結する

 旅の間は特にITを活用し、オンラインのみで仕事を進めることも多くありました。自転車旅では、日中に走り、宿を見つけ、夕飯を食べてから寝るまでの間と早朝に仕事をするスタイルが基本です。その途中で関係者や顧客とミーティングが必要な際は全てWeb上の動画チャットで完結しました。

 またWeb上で受注した案件を海外にいるライターやデザイナーに夜依頼し、次の日の朝や昼にはでき上がるようなこともありました。海外との時差も活用すると、時間のコントロールはさらにスピード感を増します。

仕事に集中できる時間を意識する

 正直に言うと、労働時間そのものは決して短縮できたわけではありません。しかし平日でも1時間くらいしか稼働しない日もあります。さらに1年単位でみると、2カ月くらいは旅に出たり、違うプロジェクトに打ち込む余裕時間を設けることも大切だと思っています。集中できるときにしっかり集中するには、仕事に期限を設ける「プロジェクト意識」を常に持つのが有効です。

お金を働かせる

 自分の自転車旅の応援チケットを販売し、購入額によりメルマガや現地からお土産を送るECサイトを作ったり、旅の間「空き部屋」状態になる自宅をWebで紹介し家賃収入を得たり、企業スポンサー(食料や宿、情報提供など金銭以外のサポーター)を募ったりもしました。自転車で走っている間もお金が働いてくれる仕組みも少し構築することで、お小遣いの足しにしました。

 (※)東京〜北海道まで1カ月自転車旅をした際の売上報告はブログにて(【旅×仕事+自転車】ほぼ毎日50キロ以上走りながら、売上87万円)。

2.シンプルを追求する

 旅に出る前、そして旅の間は、とにかく選択の連続です。何を食べる、どこに行く、何時に寝る……。楽しむことに頭をフル回転させている状態で、プラスαで仕事を考えるのは容易なことではありません。そのため、物事を「シンプル」にすることも大切です。

 シンプルを追求するのは、複雑にするより難しいです。例えば仕事を依頼された際、私は全てを請けるわけではありません。具体的には、以下のような判断の軸を持つようにしています。

  • 自分のパフォーマンスを発揮できるか
  • 利益率は高いか
  • 将来のビジョンにマッチしているか
  • スケジュールの調整が柔軟にできるか
  • 仕組み化して対応できるか

 しかし、これでも旅をする上では多く感じます。そこで旅の間は、自分の強みを発揮できる案件を少ない関係者で効率良く回すことにフォーカスするようにしています。これだけでも、旅中の混乱は減りました。

 旅の「目的」をシンプルにするのもオススメです。多くの目標を持つこと(=複雑にすること)で、そもそも初めの一歩が踏み出せないことは多くあります。

 (※)旅によって掲げる目標は違いますが、2013年の旅のテーマは「旅と仕事は両立できるかを実験すること」でした。その目標がないと行動の軸がぶれて、仕事はそこそこに遊んでいたと思います……。

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