あなたの顔写真をアーティストが肖像画に――画期的な似顔絵アプリ「Sktchy」に急げ!ICHIROYAのブログ

あなたの顔写真からインスピレーションを受けたアーティストが、芸術的な肖像画を描いてくれるかもしれない――。こんなユニークな似顔絵アプリが登場した。“顔のインパクトなら負けない”という人はSktchyに急げ!

» 2013年11月29日 11時00分 公開
[和田一郎,Business Media 誠]

この記事は、「ICHIROYAのブログ」より転載、編集しています。


 僕は自分の写真が嫌いだ。だって、男前じゃない。おでこは広すぎるし、歯が出ているうえに、顎のあたりのカタチが変だ。

 そんな僕の顔写真は、鏡の前でつくっている「自分の顔はギリギリこういう顔」という絵にはならず、「不用意な表情を最悪の角度で」絵として固定されことが多い。それはもう残酷というか、世の中のすべての悪意がそこに現れているんじゃないかというぐらい、嫌なものになる。

 まったく、男前が羨ましい。

 しかし、ひょっとしたら、肖像画を描いてもらったら自分の満足のいくものになるんじゃないか、と思ったりする。

 ん? する? いや、ともかく、カメラという身も蓋もない連中に比べて、アーティストというものは、それぞれの顔が持っている「美しさ」を、ちゃんと抽出してそこに描いてくれる気がするのだ。

 僕の顔だって、見る人が見れば、「人生の厳しさと素晴らしさ、諦念とぎりぎりの希望の刻まれた深く豊かな顔」なのかもしれないじゃないか! 見る人が見れば、だが……。

 そんなことを考えたのは、今朝、素晴らしいアプリを見つけたからだ。この「Sktchy」というアプリはなんと、アップロードした顔写真を芸術的な肖像画にしてくれるのだ。

Photo Sktchyのアプリ画面

 この画像がその例。右の写真が左のようなアートになる。

 このアプリがほかの似顔絵系アプリと異なるのは、参加しているアーティストが、わざわざ自分の端末(あるいは実物の絵筆)で写真をアートにしてくれるところだ。作例を見ると、その素晴らしさが分かると思う。プログラムが自動で似顔絵を生成するのではなく、生身のアーティストが描いてくれるので、その完成度やオリジナリティがまったく違う。しかも、無料だ。素晴らしいコンセプトがそれを可能にしている。

 ただし、自分のアップロードした写真を、どんなテイストで、誰が、いつアートにしてくれるかは分からない。そこが、ミソだ。

 例えば、僕が自慢の写真をこのアプリにアップロードしたとする。その一方で、世界中のアーティストが、インスピレーションを感じるポートレート写真をアプリの中から探している。たまたま、あるアーティストが僕の写真を気に入ってくれたら、それをアートにしてアプリにアップロードしてくれる――という寸法だ。

 僕は、その作品に対して「わあ〜〜い! ありがと!」「僕の哲学まで現れています!」といった評価やメッセージを書き込む。僕だけでなく、アプリを見ている多くの他の人も、評価したり(星をつけたり)コメントしたりできる。

 このアプリに参加するアーティストは、自分のアートをたくさんの人に見てもらえるだけでなく、コメントや評価のフィードバックが得られる。このアプリの中で、世界的な人気アーティストになれる可能性だってあるのだ。

 男前でない僕は、顔写真がどのアーティストにも採用されず、晒され続ける可能性もある。たぶん(僕もこのアプリをダウンロードしたばかりでまだ顔写真を公開していないので、あくまで、たぶん、であるが)いろいろなアーティストの作品を見て回って、“この人に自分の写真をアートにしてほしい”と思った人の作品に星をたくさんつけたり、最大限の賛辞を並べたコメントを書く、というようなことを繰り返していたら、いつか誰かが僕の写真をアートにしてくれるのではないかと思う。

Photo アーティストは描きたい顔写真を一覧の中から探せる(左)。アーティストに賛辞を送ったり星をつけたりすることも可能だ(右)

 それにしても、素晴らしいコンセプトのアプリではないか。たくさんの人が参加し、アーティストが増えれば、例えば気に入ったアーティストに有料で依頼することもできるようになるかもしれない。

 そうなれば、僕のようにアーティストの気を引くのが難しい顔立ちであっても、最悪、「カネで解決してやるから!」というカードを切れる。アーティストにとっては、収入にもなるだろう。そんな風に考えていると、なんだかこのアプリが世界中に広がって、アーティストたちの1つのプラットフォームになりそうな予感がしてくる。

 このアプリは最近ようやく話題になり始めたばかりで、日本で使っている人はまだ少ない。アーティストたちにインスピレーションを与えられそうな顔写真がある人は、登録してみたらどうだろうか。アーティストとしても、早いうちに参加したほうがメリットも大きいかもしれない。

 さあ、僕も、ちょっとましな写真を撮って登録してみようかな!

※ このアプリを利用するには、iOSを7.0以降にバージョンアップする必要がある。

photo Sktchy

著者プロフィール:和田一郎

アンティーク・リサイクル着物を国内外へ販売する「ICHIROYA」代表。昭和34年生まれ。京都大学水産学科卒業後、大手百貨店に入社。家庭用品、販売促進部など。19年勤めたのち、2001年に自主退職して起業。現在に至る。趣味はブログ執筆


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