「ツケ払いの感覚をスマホで再現したい」――原宿のカフェでPayPal体験キャンペーンチェックイン支払いならすべて半額に

PayPalがスマートフォンを活用した新しい決済サービス「PayPal」を体験できるキャンペーンをカフェ ネスカフェ 原宿でスタート。チェックイン支払いをしたユーザーにドリンクとフードのメニューを全品半額で提供する。

» 2013年11月18日 20時00分 公開
[池田憲弘,Business Media 誠]
photo カフェ ネスカフェ 原宿

 クレジットカードを出さなくても、あらかじめスマホで店にチェックインしておけば、“顔パス”でクレジット決済ができる――。PayPalは11月18日、スマートフォンを活用したクレジット決済サービス「PayPal」で「顔パス支払い(チェックイン支払い)」を体験できる「スマホでペイパルしよう!キャンペーン」を、カフェ ネスカフェ 原宿で開始した。キャンペーン期間は2013年11月18日〜2013年12月1日で(一部日程を除く)、顔パス支払いをしたユーザーにドリンクとフードのメニューを全品半額で提供する。

 顔パス支払いは、PayPalアプリをインストールしたスマホさえあれば、財布を出さずに支払いができるサービス。PayPalの導入店舗でチェックインし、レジで名前を伝えて注文すると(店側は顔写真のアイコンなどを使ってアカウントの確認を行う)現金やクレジットカードを使わずに決済できる。

photophotophoto 顔パス支払いはスマートフォンに無料のアプリ「PayPal」で行う(左)。自分の顔を登録したアイコンを使う(中央)。レシートや購買履歴も保存される(右)

 同日開催した記者説明会では、カフェ ネスカフェ 原宿を運営するCNJの四元江里香氏が「カフェ ネスカフェ 原宿は情報や文化の発信地と位置付けるフラッグシップ店。“PayPalを用いた最新の決済を日本で推進したい”というPayPalのニーズが、店舗のコンセプトに合致すると考え、話がまとまった」とコメント。同店では、顔パス支払いを導入したい店舗向けのセミナーも行うという。

photophotophoto 店頭ではスマートフォンを店員に見せつつ(左)、店頭側の端末で支払いを確定させる(中央、右)
photophoto カフェ ネスカフェ 原宿を運営するCNJの四元江里香氏(左)。顔パス支払いをするとドリンクとフードのメニューを全品半額で提供する(右)

「O2Oが当たり前、という段階にPayPalは来ている」

photo PayPal コミュニケーションズ 部長の杉江智彦氏

 PayPal コミュニケーションズ 部長の杉江智彦氏は「チェックイン支払いはPayPalを国内展開したときから使えた機能だが、今まではあまりプロモーションを行わなかった。海外向けのオンライン決済で認知度が高まってきたので、これから本格的に国内向けオンラインおよびオフライン決済の認知に乗り出す。今後はカフェ ネスカフェ 原宿以外でも同様のキャンペーンを展開していきたい」と述べる。

 サービス認知においては利便性に加えて安全性もアピールするという。「最近、サービスの利用者情報が流出して話題になることが多いが、売り場から流出してしまうケースがほとんど。PayPalは売り場側に利用者情報を与えないので、セキュリティ面でも安全」と強調した。

 リアル店舗での決済サービスという点で、PayPalは「おサイフケータイ」の競合とも言えるが、「現状でおサイフケータイは、日本で普及しているiPhoneで使えないという弱点がある。PayPalにおけるイノベーションのポイントはどんな端末もサイフになるということ。店舗側も無料のアカウントを開設すればいいだけなので導入しやすい」(杉江氏)という。店舗側は決済1回あたり3.24%の手数料を支払うだけで来店者にクレジットカード決済サービスを提供可能だ。

※記事初出時、サービス名の表記に誤りがありました。またPayPalを導入するにあたって店舗側は専用のカードリーダーを用意する必要があると記載しましたが、カードリーダーは不要です。お詫びして訂正いたします(11/20 13:00)

 逆におサイフケータイという文化がある分、PayPalの魅力を理解してもらいやすいと杉江氏は話す。「おサイフケータイもあるし、新しいテクノロジーに対して寛容だったりと日本は世界中でも特殊な市場だ。2014年はオンラインとオフラインの用途を同時に訴求していく方針だが、(こうしたアプローチをするのは)世界でも日本が初めて」という。

photophotophoto PayPalの概要(左)とビジョン(中央)。そしてPayPalの強み(右)

 今後の展開としては、注文と支払いを店に行く前にスマートデバイスで済ませてしまう「Order Ahead」の導入や、PayPalと銀行口座の連携などを見据えているという。「我々はサイフを持ち歩かなくていい、という未来を作ることを目標にしている。PayPalはすでに、O2Oが当たり前という世界に差し掛かっており、なじみの店にツケで支払うような古い商習慣を再現できたらすてきだと思う。顔パス支払いといっても、最後は人間と人間のコミュニケーションなのだから」と杉江氏は語る。PayPalを体験してみたい方は、期間中に原宿に訪れてみてはいかがだろうか。

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