第6回 機種変更や解約、番号ポータビリティ利用時の節約術誰でも簡単! LTE対応スマホ初心者の料金節約術(1/3 ページ)

LTEスマホに機種変更してから毎月の支払料金が上がった――。こんな悩みを持つ人向けに開始した本連載。最終回は、節約を考えたスマホ新機種への移行法を紹介します。

» 2013年11月15日 11時00分 公開
[小林誠,Business Media 誠]

 これまで本連載では、LTEスマートフォン(スマホ)向けの料金プランと、それを少しでも節約するための方法を紹介してきました。最後に紹介するのは機種変更時や解約時、MNP(番号ポータビリティ:通信キャリアを変更しても同じ番号を使えるようにする制度)利用時の節約方法です。

 新機種が次々と登場し、そのたびにスペックが大幅に強化されるスマホは、機種変更のタイミングが難しいもの。しかも最近では、ケータイ会社がMNPを利用するユーザーに対する優遇策を強化するなど、新たな節約方法がいろいろと出てきてさらに迷ってしまいます。本連載の最終回では、節約を考えたスマホ新機種への移行法を考えてみましょう。

機種変更では「24カ月続く割引」に注意

 新しいスマホに買い替える場合には、どれくらいのコストがかかるのでしょうか。

 同じケータイ会社のまま新しいスマホに買い替える「機種変更」(増設)の場合はまず、2100円か3150円の手数料がかかります。この機種変更で注意すべきは「分割支払いの残金」と「毎月の割引」(月々サポート、毎月割、月々割など)です。スマホを一括支払いで購入した人や、分割の支払いを終えている人はいいのですが、まだ支払いが残っている人は機種変更をした後にも、古いスマホの分割支払いが残ります。残額は各社のサポートセンターやサポートサイト(My docomoなど)で確認できます。

 もっとも、分割支払いの途中で機種変更をすれば、残額の支払いがあるのは当たり前。問題は「毎月の割引」(月々サポート、毎月割、月月割など)が失われることです。

 スマホからスマホへの機種変更は毎月の割引が24カ月適用されます。途中で機種変更すると、古いスマホの割引がなくなり、その代わりに新しいスマホの割引が始まります。つまり新旧の割引が合算されるわけではないのです。古い機種の割引を無駄にしないためには、“24カ月分の割引をきっちり頂いてから”機種変更をしたほうがいいのです。

 例えば1年で機種変更をしてしまうと、どれくらいの割引額が失われるのでしょうか。ドコモの「Xperia A」を例に、検証してみましょう。

■1年、2年で機種変更をした場合の割引額比較
項目 Xperia A 2年使用 Xperia A 1年で機種変更
新規一括 7万8120円 7万8120円
機種変更一括 7万8120円 7万8120円
新規実質(毎月の割引額) 5040円(3045円×24) 4万1580円(3045円×12)
機種変更実質(毎月の割引額) 1万5120円(2625円×24) 4万6620円(2625円×12)

Photo ソニーモバイル製の「Xperia A SO-04E」。ボディカラーはホワイト、ブラック、ピンク、ミント

 新規契約か機種変更かで割引額は変わりますが、新規でXperia Aを契約し、その後、別のスマホに機種変更したケースで考えると、2年きっちり使えば、Xperia Aは毎月3045円の割引(月々サポート)が2年間続き、合計7万3080円の割引が受けられることになります。実質5040円でXperia Aが買えるというわけです。

 しかし1年で機種変更をすると、残り1年分の割引はなくなります。割引されるのは半分の合計3万6540円分までで、残りの割引が失われてしまうのです。もったいないですね……。これではXperia Aが実質4万1580円になってしまいます。つまり1年で機種変更をすると、2年間使い続けるのに比べて高い買い物になってしまうのです。

 どうしても欲しいスマホがあったとしても、なるべく我慢して長く使ってから機種変更したほうがお得です。1年よりも1年1カ月、たった1カ月我慢して使うだけでXperia Aなら3045円分の割引が増えます。20カ月まで我慢すれば、3045円×20カ月=計6万900円分の割引を受けた上で機種変更ができます。

 できれば24カ月同じスマホを使い続け、それが無理なら1カ月でも長く使う――。これがお得な使い方です。

「機種変更しない」とどうなるか

 それでは、同じスマホを3年、4年と使い続けるとお得なのでしょうか。この場合、毎月の割引(月々サポートなど)は3年目からなくなります。ただし本体代も、手数料も発生しません。もし基本使用料やパケット定額などがまったく同じならどうでしょう? Xperia Aを2年使い続けて新機種へと機種変更をした場合と、Xperia Aを4年使い続けた場合を比べてみましょう。

■Xperia Aを4年間使い続ける場合と2年で新端末に機種変更した場合のコスト比較
項目 Xperia A 2年使用 Xperia A 4年使い続ける
新規一括 7万8120円 7万8120円
新規実質(毎月の割引額) 5040円(ー3045円×24) 5040円(ー3045円×24)
24カ月利用後の端末利用 新機種 2年使用 そのまま
機種変更一括 7万円560円 なし
機種変更実質(毎月の割引額) 3万240円(ー1680円×24) なし
機種変更手数料 2100円 なし
4年後実質合計 3万2340円 5040円

 新機種の価格や割引額次第ですが、冬モデルの最新機種が実質3万240円台からという価格で販売されているので、上記の表はそれを参考に作成しました。当然ですが新機種を買った分、機種変更をしたほうが合計額は高くなります。しかし4年はスマホの進化を考えると長いですよね。2万7300円という差ですし、ドコモなら10年以上利用しているユーザーは、さらに安く機種変更できることもあります。

 型落ちのスマホなら機種変更でも安いものがあることを考えると、新しいスマホを買うのなら「2年」というのが良いタイミングだと思います。

 また、次に紹介するように、今、使っているのがケータイ(フィーチャーフォン、従来型の携帯電話)なら、さらに割引が増し、2年で新スマホにするのならMNPという手もあります。

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